銀行でお金を借りる機会というのは「車の買い替え」や「マイホームの購入」などのライフイベント時だけでなく、一時的な生活費の補填をするため、短期的に少額の借り入れをするなど、意外と多く存在します。

お金を借りる際、利用する各種銀行ローンを選ぶ基準となるもののひとつに「金利」が挙げられます。

この金利によって毎月の返済額だけでなく、利息分を含めた総返済額もかなり異なってきますので重要視する点であることは間違いありません。

そこで今回は銀行でお金を借りる際の「金利」について詳しく説明していきたいと思います。

金利はどのように決まっているのか?

銀行でお金を借りる場合、必ず「金利」が設定されます。

この金利は、貸主である銀行と借主が相談したうえで設定されるものではなく、各種ローンにおいては、あらかじめ銀行側にて金利が設定されています。

楽天銀行のローンでは下の表のように金利が設定されています。

カードローン1.9%~14.5%
住宅ローン変動金利 0.537%※
固定金利 1.020%※
不動産担保ローン固定金利(5年毎見直し)0.72%~9.48%
教育ローン(非提携型)固定金利 3.900%
変動金利 3.224%

※次の場合、それぞれ所定の金利を上乗せいたします。 1.返済口座に他行口座を指定した場合:年0.3% 2.団体信用生命保険で、夫婦連生団体信用生命保険に加入された場合:年0.2% 3.100%保障がん団信(全疾病特約*付)に加入された場合:年0.2%

このように、ローンによって設定されている金利は異なるのですが、基本的に銀行が金利を設定するための基準があり、その基準に基づいて金利を決めています。

その基準となっている主な内容は以下のとおりです。

  • 担保の有無
  • 貸出期間
  • 資金使途

「担保が必要ない」「資金使途が自由」「貸出期間が長い」といった特徴を持っているローンほど金利が高くなる傾向にあります。

ローンの種類によって金利は異なる

銀行でお金を借りる際に、利用するローンの種類によって金利は異なってきます

一般的に銀行で取り扱われているローンは下記のようなものがあります。ここでは、各ローンの概要と金利を紹介します。

住宅ローン

マイホームを購入する際には、ほとんどの方が利用するであろうローンが住宅ローンです。

基本的には、購入する物件(土地・建物)に対して抵当権が設定されます。また、団体信用生命保険(団信)への加入が条件になっており、この保険に加入ができなかった場合は借り入れができないこともあります。

金利は大きく分けて「変動金利」と「固定金利」があり、近年では3年や5年、10年といった固定期間が選択できるものがあります。

住宅ローンの変動金利は、「無担保コール翌日物」の金利を指標に金利が決められています。

この「無担保コール翌日物」というのは、金融機関同士が1日という超短期間で資金の調達や供給を行う取引のことで、ここで決められている金利は日銀の金融政策によってコントロールされています。

現在、変動金利は0.4%~0.6%あたりに設定している銀行が多く、銀行で取り扱うローンの中でもかなり低い金利設定です。

一方、固定金利はというと、「新発10年物国債」という新規発行された償還期間10年の国債の利回りが指標となっています。

30年や35年といった全期間固定の場合ですと1.3%~2.2%の金利設定です。

少しややこしい話になるのですが、先ほど触れた固定期間選択型の住宅ローンは固定と付いていますが、実は変動金利で借り入れをしたものに特約をつけて、一定期間の金利を固定しているという意味ですので、厳密に言うと固定金利とは若干解釈が異なります。

その固定期間選択型でも比較的人気な10年固定の金利は0.6%あたりになっていますので、こちらもかなり低い設定となっています。

教育ローン

「教育ローン」と言えば、「入学金」や「授業料」の支払いの用途でしか利用できないイメージがあるかと思います。

しかし、最近の教育ローンは、入学金・授業料の支払い以外に受験費用やアパートを借りるにあたって発生する費用、学用品購入費といったものにまで幅広く対応しているものもあります。また、銀行によっては他行で借り入れをしていた教育ローンの借り換えにも対応しています。

では、銀行で教育ローンを借りるのであれば、金利はどれくらいになっているのでしょうか?代表的な銀行の教育ローンをまとめてみましたのでご覧ください。

 金利借入金額
三井住友銀行
教育ローン(無担保型)
3.475%(変動金利)10万円以上300万円以内
みずほ銀行
教育ローン
3.475%(変動金利)
4.300%(固定金利)
300万円まで
三菱UFJ銀行
ネットDE教育ローン
3.975%(変動金利)30万円以上500万円以内
楽天銀行
教育ローン
3.224%(変動金利)
3.900%(固定金利)
10万円以上500万円以下
住信SBIネット銀行
MR.教育ローン
1.775%~3.975%(変動金利)10万円~1,000万円

※住信SBIネット銀行の金利は比較的頻繁に変更されることが多いので、申込みをされる際は公式サイトをよく確認された方がいいかもしれません

固定金利と変動金利を選択できる銀行もあるのですが、ベースは変動金利となっており、3.5%前後に設定されているところが多くなっています。

もし「もう少し低金利で借り入れがしたい」というのであれば、日本政策金融公庫の「教育一般貸付(国の教育ローン)」がおすすめです。

この記事を書いている時点で設定されている金利は1.76%(固定金利)とかなり低い金利設定になっています。このあたりについては他の記事で詳しく書いておりますので、そちらをご確認ください。

「教育ローンのオススメは?低金利で借りるなら国と銀行どっち?」
「国の教育ローンを詳しく解説!審査は?保証人は?」

マイカーローン

車を購入する際、ローンを利用するかと思われますが、中古車販売店やディーラーの場合ですと提携している信販会社のローンやディーラーのローンでの購入を勧められるはずです。

ここで注意しなければいけないのが、上記のローン金利は銀行のマイカーローンと比べて高い設定になっています

その分、銀行のマイカーローンに比べて審査面などが若干甘い傾向にあるというメリットはあるのですが、購入後、5年~10年くらいにかけて毎月返済していくことを考えたら、総返済額が少なく済む銀行のマイカーローンの方がいいのではないでしょうか?

まれにキャンペーンなどで、ディーラーローンや残価設定型クレジットの金利が銀行並みに低金利設定になる場合があり、そのタイミングで購入や買い替えをするというのであれば、そちらを利用する方がいいこともありますが、基本的には銀行のマイカーローンを選択した方がいいと思われます。

金利としては、信販系はどこも情報をオープンにしておらず相場的には10%程度と言われています。

ディーラーローンは、日産が4.9%、ホンダは3.5%となっています。トヨタに関しては、「ネッツトヨタ」「トヨタカローラ」などの販売店によってかなり金利が異なるので明示しにくいところではあるのですが、調べたところでは5%~8%になっていました。

では、銀行のマイカーローンの金利はどうなっているかというと、代表的な銀行の金利については下の表にまとめてみました。

 金利借入金額
三井住友銀行
マイカーローン
4.475%(変動金利)10万円以上300万円以内
りそな銀行
マイカーローン
4.475%(変動金利)10万円以上500万円以内
三菱UFJ銀行
ネットDEマイカーローン
1.720%~2.975%(変動金利)50万円以上1,000万円以内
住信SBIネット銀行
MR.自動車ローン
1.775%~3.975%(変動金利)10万円~1,000万円

※住信SBIネット銀行の金利はキャンペーン金利を表示しています。教育ローン同様、自動車ローンも頻繁に金利が変更されますので、検討する際は必ず公式サイトを確認してください。

マイカーローンの「金利」に注目するのであれば、「ジャパンダ・ネットマイカーローン」も併せて紹介した方がいいでしょう。

この「ジャパンダ・ネットマイカーローン」は損害保険ジャパン株式会社が提供しているローンです。

銀行ではないので上の表には入れてませんが、金利面でみると「1.90%~2.95%」と低金利に設定されており、インターネットからの申込みができるので非常に便利なマイカーローンとなっています。

マイカーローンの利用を検討する際には、金利面を含めた毎月の返済額も考慮しなければいけないわけですが、ディーラーによっては車種限定で残価設定型クレジットの金利を引き下げていることもありますので、銀行のマイカーローンだけでなく、残クレも含めて車の購入を考えた方がよさそうです。

「マイカーローン金利を比較!FPが教える おすすめローン」
「残クレは気をつけろ!トヨタの現役販売員が教える残クレ裏事情」

カードローン

銀行でお金を借りる際に、一番手続きが簡単なローンが「カードローン」です。

最近は、スマホで申込みから本人確認書類の提出、契約まで行えるようになっている銀行が多くなっていることもあり、外出することなく銀行からお金を借りることができるようになっています。

ただ、この記事のはじめで「担保が必要ない」「資金使途が自由」「貸出期間が長い」といったローンは金利が高くなる傾向がある説明しましたが、まさにカードローンはこの3つの要素を満たしていると言えます。

ですので、カードローンは非常に便利な反面、銀行のローンの中では一番高い金利設定となっています。

 金利利用限度額(最大)
三井住友銀行
カードローン
1.5%~14.5%800万円
みずほ銀行
カードローン
2.0%~14.0%800万円
楽天銀行
スーパーローン
1.9%~14.5%800万円
オリックス銀行
カードローン
1.7%~14.8%800万円
住信SBIネット銀行
MR.カードローン
1.59%~14.79%1,200万円

この表を見ると、各銀行カードローンの一番低い金利は2.0%前後に設定されていますので、高いイメージが薄れてしまうかもしれませんが、この低い金利が適用されるのは、契約極度額が各カードローンにおける最大額の場合です。

つまり、楽天銀行スーパーローンの場合であれば、契約極度額が800万円で適用金利が1.9%になる可能性があるということです。

10万円や20万円の契約極度額なら、適用金利はおそらく一番高い設定金利になると考えて間違いないでしょう。ですので、カードローンを利用する場合は、借入額を少額にとどめ短期間で返済するということを心がけて利用してください。

カードローンの審査やメリットデメリットに関してはこちら
「銀行でお金を借りるならどこがいい?失敗しない銀行ローン」

フリーローン

フリーローンは名前の通り、借り入れした資金をどのような用途で利用してもいいという特徴がありますが、銀行によっては「目的別」に分けられていることもあります。

また、フリーローンは一度借り入れをするとあとは返済するのみとなっており、極度額までなら何度でも借り入れができるカードローンとはカードローンとは異なるという特徴もあります。

 金利借入金額
三井住友銀行
フリーローン(無担保型)
5.975%(変動金利)10万円以上300万円以内
りそな銀行
りそなプライベートローンJ
6.0%~14.0%(固定金利)10万円以上300万円以内
みずほ銀行
フリーローン
5.875%(変動金利)
6.700%(固定金利)
10万円以上300万円以内
イオン銀行
フリーローン
3.8%~13.5%(固定金利)30万円以上700万円以内
住信SBIネット銀行
Mr.フリーローン
3.775%~12.0%(変動金利)10万円~1,000万円

「担保なし」「資金使途が自由」という点はカードローンと同じですが、貸出期間が決まっているという点がことなるため、フリーローンの方が設定金利は若干低めになっています。

事業者(ビジネス)ローン

事業を運営していると「運転資金がショートした」「一時的に立替資金が必要」といった状況に陥ってしまうことも考えられます。

そのようなときに検討したいローンが「事業者(ビジネス)ローン」です。銀行で借り入れができる事業者(ビジネス)ローンとして代表的なものは以下のローンです。

 金利融資限度額
三井住友銀行
ビジネスセレクトローン
2.125%~(変動金利)1億円以内
三菱UFJ銀行
ビジネスローン「融活力」
2.1%~9.0%(変動金利)5000万円以内

比較的低金利にて借り入れすることができるのですが、事業者向けのローンでより低金利での借り入れを希望するのであれば、日本政策金融公庫がおすすめです。

事業の規模や業態、借り入れの目的などかなり細かく分けられているので、少しややこしいというデメリットはあるのですが、1%~2%程度の金利設定になっているので返済面を考慮すると日本政策金融公庫の事業者ローンを選択した方がいいかもしれません

「銀行から事業者がお金を借りる方法とは」

まとめ

一概に「銀行でお金を借りる」といっても、ローンによって金利が異なることがお分かりいただけたかと思います。

「担保が必要ない」「資金使途が自由」「貸出期間が長い」といった基準で金利が決まっていると考えると、銀行からお金を借りる際には、使用目的に合ったローンを選択するようにすれば、より低金利で支払う利息額も少なく済むということになります。

また、借り入れを検討する際には銀行だけでなく、マイカーローンや事業者ローンで紹介したように銀行以外からの借り入れも含めて検討した方がより低金利で借り入れができるかもしれません

借り入れを検討しているのであれば、今回の記事を参考にして幅広く情報を集めてみてください。