
2019年の消費税増税対策として、キャッシュレス決済によるポイント還元が話題になっていますね。しかしながら
- そもそもキャッシュレス決済って何?基本が知りたい
- キャッシュレス決済のメリット・デメリットとは
- キャッシュレス決済は種類が多く、どの決済方法を選べば良いかわからない
など、キャッシュレス決済そのものに疑問がある人はまだまだ多いと思います。
そこで当記事では、キャッシュレス決済の基本と種類からおすすめの決済方法、そして2019年の増税によるポイント還元内容まで、徹底的に解説しています。この機会にキャッシュレス決済の基本や種類を知り、日常生活にうまく取り入れてみてはいかがでしょうか。
キャッシュレス決済とは?キャッシュレス決済の基本
キャッシュレス決済とは、名前のとおり「キャッシュレス=現金を使わない決済方法」のことです。現在、多くの人が日常生活で使っているキャッシュレス決済といえば、
- 買い物や各種サービスなどの支払いに利用するクレジットカード
- Suica(スイカ)やPASMO(パスモ)などの交通系ICカード
- スマホで使えるおサイフケータイやApple Pay(アップルペイ)
などがあると思います。
これらキャッシュレス決済に共通するのは、支払いが楽になるという「利便性」ではないでしょうか。しかし、利便性以外にメリットや、注意すべきデメリットはないのか気になりますよね。キャッシュレス決済のメリットとデメリットについて、詳しく解説していきましょう。
キャッシュレス決済のメリット
キャッシュレス決済のメリットは、
- 会計がスピーディかつスマートにできる
- 現金を持ち歩かなくて良い
- ポイントや割引などの特典が付く
- セキュリティ(安全保障)がある(※プリペイドカードにはない)
- 日々のお金のやり取りを記録しやすい(見える化できる)
などがあります。
車のETCや交通系のICカードをイメージするとわかりやすいですが、キャッシュレス決済はスマホやカードを渡したりかざしたりするだけでスムーズに会計を終えられます。支払いが楽になる便利さに加え、ポイントや割引が付くお得感が大きな魅力です。
現金払いだと、どうしてもお財布にある程度の現金を入れておかないと買い物ができません。
ATMからお金を引き出す手間、時間帯によっては手数料もかかりますし、お財布を落としたり紛失したりした時に「お金を使えないようにするセキュリティ(安全保障)」が一切ありません。
その点、ほとんどのキャッシュレス決済には何らかのセキュリティがあります。スマホ決済であれば専用のアプリやスマホを立ち上げ時に暗証番号が必要なので、万一スマホを落としてもお金を使われる可能性は低くなります。
また、クレジットカードも紛失時に電話で利用停止手続きをすれば不正利用を防ぐことができます。まったく保障がない現金払いよりは、キャッシュレス決済のほうがセキュリティ面の安心度は高いと言えるでしょう。
さらに、キャッシュレス決済はお金を使った履歴が記録として残るため、家計管理がしやすくなります。
マネーフォワードMEなど専用の資産管理アプリと連携すれば日々使ったお金を簡単に可視化できるので、細かくレシートを集めたり家計簿をつけたりする手間もなくなるのです。
キャッシュレス決済のデメリット
メリットが多い反面、キャッシュレス決済にはデメリットもあります。それは、
- 使えるお店やサービスが限られている
- クレジットカードなど、後払い方式の場合はお金を使いすぎてしまうことがある
- チャージタイプ(前払い方式)の場合はチャージしておかなければ使えない
- スマホ型の場合はスマホの充電が切れると使えない
などです。先進国の中でも、日本はキャッシュレス決済の普及がかなり遅れています。キャッシュレス決済がいくら便利だといっても、そもそも使いたいお店やサービスでキャッシュレス決済できなければ意味がないですよね。
政府は訪日外国人の消費喚起のためにもキャッシュレス決済を推進しており、今後少しずつ使える場所は増えていくと思います。それでも、現金ほどの普及率になるにはまだまだ時間がかかるでしょう。
また、キャッシュレス決済はスマホやカードで簡単にできるため、後払いのクレジットカードなどはついつい使いすぎてしまうという危険性もあります。
キャッシュレス決済は、直接お財布から現金を出して支払うわけではありません。
簡単に支払いできる利便性ゆえに、お金に対する意識が希薄になるという問題点があります。キャッシュレス決済を使う際はこうした問題点や危険性を意識したうえで、上限額を決めたり、家計簿アプリで使ったお金をしっかり把握したりして使いすぎを防ぐようにしましょう。
キャッシュレス決済の種類と選び方
キャッシュレス決済にはさまざまな種類がありますが、自分にあったキャッシュレス決済を選ぶポイントは「いつ(支払いのタイミング)どのように(支払いの方法)支払いをするのか」です。それぞれ重要なポイントなので、詳しく解説しましょう。
支払いのタイミングによる分類
キャッシュレス決済は、実際にお金を支払うタイミングによって下記の3つに分類できます。
前払い(プリペイド) | あらかじめ一定の金額をチャージし、チャージした金額を上限に支払う方法 |
---|---|
即時払い(リアルタイムペイメント) | 指定された銀行口座の預金金額を上限に支払う方法。リアルタイムで銀行の口座から支払いが行われる |
後払い(ポストペイド) | 1か月分など決まった期間内の使用金額を後で支払う方法 |
キャッシュレス決済は前払いと即時払い、後払いの3つの方法があります。
前払いや即時払いは、使える上限額がチャージした金額か自分の預金口座の残高です。自分で使う金額をコントロールできるうえ、現金と同じ感覚で使えるので使いすぎを防げるのがメリットです。ただ、チャージする手間、少しでも残高が足りなければ買い物できないというデメリットもあるため、キャッシュレス決済の魅力である利便性は少し低くなってしまいます。
後払い方式は、「今持っているお金以上の支払いができる」のが大きなメリットです。手元にお金がないとき、口座残高やチャージを気にせずにさっと支払いができ、後から分割払いなどができる使い勝手の良さが大きな魅力です。
ただ、後払い方式は持っているお金以上に使えるがゆえに「ついつい使いすぎてしまう」というデメリットもありますし、クレジットカードを利用するための審査が必要なので要注意です。
今まで長く現金派だった人や、初めてキャッシュレス決済を利用する人には安心して使えるのは前払いや即時払いがおすすめです。しかし、家計管理が得意な人、きちんと計画的に使える人であれば後払いも利便性が高くおすすめです。
慣れてきたら前払いと後払いを併用して使い分けるのも良いでしょう。
支払い方法による分類
キャッシュレス決済は、支払いの方法や端末によって下記の3つに分けることができます。
- 接触型(カード)
オンライン&店頭で利用可能
クレジットカードやプリペイドカードなど、専用のカードを専用の読み取り機に通して支払う方法(オンラインの場合はコードを入力する)。クレジットカードの場合オンラインでも店頭でも使え、利用できる店舗が非常に多い。店頭では暗証番号かサインが必要になる。
- 接触型(スマホコード)
オンライン&店頭で利用可能
PayPayやLinePayなど、スマホの専用アプリでバーコードやQRコードを表示させて支払いをする方法。オンラインでも店舗でも使えるが、アプリによって対応店舗が異なる(クレジットカードほど利用店舗は多くない)
- 非接触型(カードとスマホ)
「コンタクトレス決済」ともいい、店頭利用のみとなっています。
Suicaやおサイフケータイなど、スマホや専用のカードに埋め込まれたICチップ(非接触型)で支払いを行う方法。カードやスマホをかざすだけで支払いが完了する。店頭での支払いのみ
キャッシュレス決済を利用できる端末はおもにスマホかカードですが、店頭での支払いのときに何らかの読み取りが必要なものは接触型、読み取り不要でかざすだけのものは非接触型という分類ができます。
もっとも便利なのはかざすだけで支払いが完了する非接触型で、コンビニや駅の改札など、支払いを素早く済ませたいときは非常に便利です。
反対に接触型は読み取りが必要なうえ、場合によってサイン・暗証番号入力もあるので会計時の手間が少しかかりますが、その分不正利用を防ぎやすくなっています。
また、カードタイプは利用するサービスごとの使い分けが必要、スマホ型は充電切れになると使えないという特性もあります。それぞれのメリット・デメリットをふまえたうえで自分のライフスタイルに適した方法を賢く使い分けるようにしましょう。
キャッシュレス決済タイプ別一覧&おすすめ決済方法
キャシュレス決済選びで重要なのは「支払いのタイミングと支払い方法」であるとお伝えしてきました。
2つのポイントをふまえたうえで、キャッシュレス決済をタイプ別一覧表にしました。おすすめの決済方法についても記載していますので、ぜひ参考にしてください。
キャッシュレス決済タイプ別一覧
店頭での支払い方法 | |
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接触型(カード) | 専用のカードを店員に渡して読み取りしてもらうか自分で専用リーダーに挿入する。暗証番号かサインが必要 |
接触型(スマホコード) | スマホの専用アプリを立ち上げQRコードやバーコードを表示させ、店員さんに読み取りしてもらう |
非接触型(カードとスマホ) | カードリーダーにカードやスマホをかざすだけ |
オンラインでの支払い方法 | |
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接触型(カード) | オンライン上でカード番号やカード名義人名などを入力 |
接触型(スマホコード) | オンライン店舗で支払い方法を選択する際、アプリを立ち上げて支払う |
非接触型(カードとスマホ) | ― |
前払い方式(プリペイド) | |
---|---|
接触型(カード) | 各社プリペイドカード(Kyash・au wallet・LinePayカード) |
接触型(スマホコード) | LinePay・PayPay |
非接触型(カードとスマホ) | 交通系IC(Suica・ICOCA・PASMOなど) おサイフケータイ(スマホ) (WAON・楽天Edy・nanaco※カードタイプもあり) |
即時払い方式(リアルタイムペイメント) | |
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接触型(カード) | 各社デビットカード |
接触型(スマホコード) | Origami Pay・ゆうちょPay(2019年5月開始予定) |
非接触型(カードとスマホ) | ― |
後払い方式(ポストペイド) | |
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接触型(カード) | 各社クレジットカード |
接触型(スマホコード) | Origami Pay・PayPay※ |
非接触型(カードとスマホ) | Apple Pay・GooglePay・おサイフケータイ(iD・QUICPay)※ |
※それぞれクレジットの情報を登録して使う
キャッシュレス決済のおすすめ
キャッシュレス決済でおすすめなのは、前払い(即時払い)と後払いの両方を利用でき、ポイント還元が充実しているKyash(キャッシュ)、Origami Payの2つです。
※2019年4月現在のおすすめです
Kyash おすすめのポイント
Kyash(キャッシュ)はスマホ上で作れるプリペイドカードで、現時点で一番おすすめのキャッシュレス方法です。
- プリペイドカードなので審査不要
- Visa加盟店であればオンライン上でも店頭でも使える(1回の利用金額上限あり。店頭での利用はリアルカードが必要)
- ポイント還元率が高い(使った金額の2%が後日キャッシュバック)
- チャージして前払いする方法、クレジットカードからチャージして後払いする方法、両方を利用できる
- クレジットカードからのチャージでクレジットカード独自のポイントが付く
Kyash(キャッシュ)は使える場所の多さ、ポイント還元率の高さが大きな魅力で、最初に始める方にもダントツでおすすめしたい方法です。
Origami Payおすすめのポイント
Origami Payはスマホ専用のコード決済アプリです。
- 対象店舗で利用すると半額、500円オフクーポンの配布など、常になんらかのキャンペーンや割引がある
- 銀行口座と連携した即時払い、クレジットカードと連携した後払いの両方が使用できる
コード - クレジットカードからのチャージでクレジットカード独自のポイントが付く
- アプリ自体のセキュリティが高い
Origami Payの魅力は常に何らかのキャンペーンや割引が実施されている楽しさです。対応店舗も徐々に拡大しており、今後も目が離せない注目アプリといえます。
消費税増税によるキャッシュレス決済還元事業
2019年10月に消費税が増税されますが、その増税対策の一環として、特定のお店やサービスでキャッシュレス決済を利用すれば、最大5%のポイントや割引を受けられます。
制度の概要
- 制度名
- キャッシュレス・消費者還元事業
- 実施期間
- 2019年10月1日~2020年6月30日(9か月間)
- ポイント還元率
- 一般の中小・小規模事業者→5%還元
フランチャイズなど→2%還元 - 対象店舗
- 2019年7月ごろ公表予定※1
- 対応になるキャッシュレス決済手段
- クレジットカード、デビットカード、電子マネー、QRコードなど一般的に繰り返し使えるキャッシュレス決済全般
- ポイント還元の方法
- 決済額と指定の還元率に応じたポイントやポイント相当額を割引※2
※1 原則として中小企業基本法上の中小企業であること、課税所得15億円以上の中小企業は対象外。また、一般の中小・小規模事業者については端末代や加盟店手数料などの補助もある
※2 現金を還元されるわけではない
対象店舗は2019年7月に公表予定なのでまだわかりませんが、先にご紹介したOrigami Payや各クレジットカードを含め、有名なキャッシュレス決済はほぼ対応になっています。対象期間中になんらかのキャッシュレス決済を利用すれば最大5%ものポイントや割引が受けられるので、賢く活用しましょう。
参考:経済産業省「消費者還元事業(ポイント還元事業)の概要」
キャッシュレス決済まとめ
キャッシュレス決済の基本や種類、消費税増税のキャッシュレス決済還元内容についてお話ししてきました。改めて重要なポイントを下記にまとめました。
- キャッシュレス決済のメリット
- 支払いが楽になる利便性とポイント還元などのお得感
- キャッシュレス決済のデメリット
- 使える場所が限定的、使いすぎる可能性がある
- キャッシュレス決済を選ぶときのポイント
- 支払いのタイミングと支払いの方法で自分にあった方法を選ぶこと
- 2019年おすすめのキャッシュレス決済
- Kyash(キャッシュ)とOrigami Payがおすすめ
- 2019年消費税増税によるキャッシュレス決済還元内容
- 増税後の9か月間、特定のお店で最大5%のポイントや割引が受けられる
キャッシュレス決済にはメリットが多い反面、デメリットもあります。
ただ、デメリットをきちんと理解して自分に適した方法を選べば、日常の支払いは間違いなく簡単に、スムーズになるはずです。消費税増税によるポイント還元政策もあり、2019年はキャッシュレス決済を始めるのにぴったりなタイミングです。
キャッシュレス決済を賢く利用し、毎日の暮らしをもっと便利にしてみてはいかがでしょうか。