
複数の金融機関からの借入総額100万円程度を、おまとめローンなどで1本化したい場合はどのようなローンの選び方をすればいいのでしょうか。
借入れや返済の状況によって、ローンの選び方は異なります。
ここでは、できるだけ例を挙げて「どういったローンを選択すればいいか」について説明していきたいと思います。
おまとめができるローンは複数ある
銀行や消費者金融などが提供しているローン商品で「おまとめ」や「借換え」といった名称が付いているローンがあります。
おまとめや借換えをする際には、こういった商品しか利用できないのかと言えば、そうではありません。では、おまとめや借換えができるローンはどういったものがあるかを挙げてみます。
- おまとめローン(借換えローン)
- フリーローン
- カードローン
おまとめなどができるローンの代表的なものが、今挙げたものとなります。ちなみに、こんなところも「おまとめローン」を取り扱ってます。
※主婦・学生の方は満20歳以上で定期的な収入と返済能力を有する方でアイフルの基準を満たす方
※申込時の年齢が成人以上の方が利用できます。(高校生不可)
では、先ほど挙げた各ローンについて説明していきます。
おまとめローン(借換えローン)
ここでは便宜上、おまとめローンという名称を使っていますが、個人的な解釈としては「おまとめローン」は「借換えローン」と同義と考えています。
よく「おまとめローンと借換えローンの違いは?」といった記事を見かけるのですが、そもそも「おまとめ」も「借換え」も既存借入先から他の金融機関に借り換えるということですから、既存の借入先が1つなのか複数なのかの違いだけで、基本的には「借換え」をしているということになるわけです。
ですので、この記事では「おまとめローン」「借換えローン」といった表記をしますが、ローンの特徴などは同じものですので混乱なさらないようにしてください。
本題に戻ると、このローンは借換えや複数の金融機関からの借入れを1本化することのみを目的としているので、それ以外の用途では利用することができないようになっています。
また、おまとめや借換えといった名称が付いたローンは消費者金融・銀行ともにそれほど多くはありません。
そういうこともあり、「おまとめ」や「借換え」の名称が付いたローンのみを探すと非常に苦労しますので、以下で紹介するローンも含めておまとめを検討してください。
特徴としては、一度借入れをするとあとは返済のみという形になっていることが多く、カードローンのように極度額内であれば何度でも借入れができるというものではありません。
金利は金融機関によって様々ですが、消費者金融や信販で借入れしている金利よりは低くなっていることがほとんどです。
フリーローン
フリーローンは名前のとおり、資金用途が自由になっていることがほとんどです。
金融機関によってはフリーローンが車の購入や教育資金、その他多目的な用途で利用できるように分類されているフリーローンもありますので、よく調べてから申込みをするようにしましょう。
また、まれに借り換えやおまとめでの利用ができないフリーローンもあるので、事前に確認しておく必要があります。
特徴としては、先ほど説明した「おまとめローン(借換えローン)」と同様、一度借入れをすればあとは返済のみとなっていることがほとんどです。
金利は比較的低く設定されていることが多いのですが、返済期間(返済回数)や適用利率によっては、おまとめをしても毎月の返済額があまり下がらないといったこともありますので、注意が必要です。
さらに、一部繰上返済または全額繰上返済をする際に手数料が必要となる金融機関もあります。イオン銀行などのネット銀行系は手数料が無料になっていることもありますので、早く返済することを目的としている場合には、こういった点も確認しておいた方がいいでしょう。
カードローン
「カードローンでおまとめ?」
このように思われるかもしれませんが、おまとめする金額や金利などの条件によってはカードローンでのおまとめも選択肢に入れていいかと思われます。
その理由というのが、2つあります。
毎月の返済額が下がる可能性が高い
まず1つが、毎月の返済額を下げることができる可能性が高いという点です。以下の画像のように、一般的なカードローンでは返済額が金利に関係なく現状の借入残高によって決まります。
この画像を見ていただければ、カードローンでおまとめをした場合、どれくらい毎月の返済額を減らすことができるかという目安になるかと思います。
申込みから借入れまでが早い
申込みから借入れまでが早いというのは、カードローンの一番の特徴といっても過言ではありません。
先ほど説明した「おまとめローン」や「フリーローン」は、早いものだと申込んだその日に借入れができるものもありますが、一般的には申込みをしてから借入れができるまでに2日~5日、長いものですと1週間~2週間かかるものがあります。
その点、カードローンであれば申込みの時間帯にもよりますが、申込み当日に借入れができてしまいます。
「今すぐ、おまとめしたい」といった場合に向いているローンと言えるでしょう。
ただ、カードローンでおまとめをする注意点として、借入残高ごとに決められた返済額で返済していくといつまで経っても返済が終わらないという点です。
どういうことかというと、カードローンの返済額は、おまとめローンやフリーローンのように「返済期間」と「金利」によって計算された返済額(元利均等返済)ではなく、借入残高によって返済額が変動する「残高スライド方式」になっています。
借入残高がある一定額まで減ると、返済額も減少するという形になっています。
つまり、返済額が減少するということは、その分、元本返済に充てられる金額も減少するので借入残高の減り方も少なくなっていき、利息を多く支払わなければいけないということになってしまいます。
ですので、カードローンでおまとめをする際は、極力余裕のある月は返済額より多めに支払っていくようにしましょう。
毎月の返済以外の随時返済に関しては手数料がかかることはないので、積極的に返済していく意思がある方が向いてるかもしれません。
各おまとめローンごとの返済シミュレーション
おまとめローンとフリーローンは特性が似ていることもあり、ここでは「おまとめローン・フリーローン」と「カードローン」でおまとめした場合のシミュレーションをしてみます。
各おまとめローンで80万円をおまとめした場合
返済期間 3年(36ヶ月) | ||
---|---|---|
おまとめローン・フリーローン(金利14.5%) | カードローン(金利15.0%) | |
毎月の返済額 | 27,537円 | 27,732円 |
利息総額 | 191,319円 | 198,361円 |
総返済額 | 991,319円 | 998,361円 |
返済期間 5年(60ヶ月) | ||
---|---|---|
おまとめローン・フリーローン(金利14.5%) | カードローン(金利15.0%) | |
毎月の返済額 | 18,823円 | 19,032円 |
利息総額 | 329,347円 | 341,917円 |
総返済額 | 1,129,347円 | 1,141,917円 |
おまとめする金額が100万円以下となっているので、金利差がほとんどなく、返済期間も同条件にてシミュレーションしたので、「おまとめローン・フリーローン」「カードローン」それぞれあまり大きな違いはありません。
ただ、カードローンの場合は先ほど説明した「残高スライド方式」で算出された返済額(約定返済額または最少返済額などと表現することもあります)ではなく、3年または5年で返済することを基にした計算になっていますので、残高スライド方式で決められた返済額で返済していくとどうなるかというシミュレーションも行なってみます。
約定返済額(最少返済額)で返済(金利15.0%) | |
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返済期間 | 20年8ヶ月(248ヶ月) |
利息総額 | 850,073円 |
総返済額 | 1,650,073円 |
某銀行カードローンの返済方式を参考に計算してみました。
何も考えずに約定返済額で返済していくと、返済が完了するまでに20年8ヶ月(248ヶ月)もかかってしまうことになります。
また、利息額も借入元本の80万円を超えて約85万円となるので、総返済額は約165万円というなんともな結果になりました。
何度も書いていますが、カードローンでおまとめを検討している人はこういった側面があるということを十分に加味しておまとめローンを選択するようにしてください。
まとめ
50万円~100万円をおまとめローンなどで1本化する場合、どのローンを利用しても返済額という面だけをみるとそれほど大きな違いは出ませんでした。
となると、ローンを選択するポイントは「金利が低い」ことと「どのような返済をしていくか」という点が重要になってくるというわけです。
「どのような返済」というのは、返済期間をどれくらいで考えているのか、または毎月の返済額を下げたいのか、毎月の返済管理を楽にしたいのかなど、重要視しているところは人それぞれ違います。
今後のライフプランなども考慮して、どのようなスタイルで返済していくかということも含めて「おまとめローン」を選んでいくことが大切になります。