
「複数社から借金があり返済が苦しい!」
このような時に利用を考えるのがおまとめローンですよね。おまとめローンを利用することが、月々の返済額を減らしたり、バラバラだった返済日を1つにしたり、利息をカットすることが可能です。
しかし、おまとめローンは上手に利用しないと、「支払う利息が増えた!」、「月々の返済額が多くなってしまった・・・」、「返済期間が長くなった」など、おまとめ前よりも損してしまうこともあります。そこしたことを避けるには、おまとめローンについてしっかりと理解しておく必要があります。そこでおまとめローン審査の秘訣と低金利でおすすめできるローンを紹介します
おまとめローン審査のための基礎知識!
まずは、おまとめローンの審査の話をする前に、おまとめローンとはどのようなものなのかをしっかり理解しておきましょう。
おまとめローンと借り換えとはどう違う?
「おまとめローンと借り換えの違いが分らない・・・」このような方は少なくありません。
どちらも今より有利な条件のローンに変更するという意味では同じですが、おまとめローンと借り換えは別物です。とくに立替え払いなのか、そうでないのかという点が大きく異なります。
借り換え=乗り換え
借り換えとは、一般的に他社のカードローンに乗り換えることを意味します。
現在よりも金利が低いカードに乗り換えて、利息を減らす目的で行なわれます。例えば、金利18.0%のカードから15.0%のカードに乗り換えるというように、利息軽減の目的で行なうのが基本なんですね。
借り換えと名前がついてはいますが、実際のところ普通にカードローンを利用するのと変わりはありません。他社のカードローンで借入をして、今ある借金を完済するだけになります。カードローンですので、残った限度額はいつでも自由に使うことが可能です。
また、カードローンは利用目的が基本自由ですので、借り換えの場合、様々な借金に利用できます。
カードローンの借金だけでなく、自動車のローンや住宅ローン、クレジットカードの支払など利用用途はおまとめローンよりも広いです。反面、借入している状態から申込むので限度額が低くなってしまうという欠点もあります。
おまとめローン=立替払い
これに対して、おまとめローンは借金を立替してもらうことに特化した商品です。多くの場合、「複数社からの借金がある返済が苦しい・・・」このような時に月々の返済額を減らす目的で利用する方が多くなっています。
おまとめローンの場合、利用するとローン会社が今ある借金を立替えて1つにしてくれます。
ただし、立替払いですのでその後は返済していくのみとなります。カードローンのように自由に追加の借入はできません。
また、おまとめローンの場合、おまとめ専用のローンですので、基本的にカードローンの借金にしか利用できません。とくに消費者金融はその傾向が強いです。その反面、おまとめ専用となっているため、カードローンよりも借入可能額が高くなる傾向にあります。
おまとめローンは総量規制の対象外になる!
おまとめローンは総量規制対象外になるというメリットがあります。
これは消費者金融系のおまとめローンであっても同様です。通常、消費者金融からの借入は総量規制によって、年収の1/3までしかできません。
しかし、おまとめローンの場合であれば年収の1/3以上の借入も可能となっています。これはおまとめローンがおまとめ専用の商品であり、高額の借入を想定したローンであるからです。
おまとめローンの場合、複数社からの借入を一本化する目的で利用する方が多数です。そのため、どうしても金額が高額になりがちです。総量規制があると上限の年収の1/3に達してしまうケースが多くなり、おまとめできない方が増えてしまいます。
そうした理由から、特例としておまとめローンは総量規制の対象外になっているんですね。
おまとめローンのメリット&デメリット
おまとめローンは大変メリットが大きいローンですが、当然、デメリットも存在します。おまとめローンで失敗しないためにも、メリットデメリットをしっかり理解しておきましょう。
おまとめローンのメリット
- 月々の返済額を減らすことができる
- 返済日が1つになる
- 利息を少なくすることができる
複数社の借入をおまとめすると高額率で月々の返済額が減ります。
バラバラだった返済日が1つになり、管理がしやすくなるというメリットもあります。今より金利の低いところでおまとめできれば、利息も減らすことが可能です。
おまとめローンのデメリット
- 返済合計額が増える場合もある
- 返済期間が長くなることがある
- 追加の借入は基本的にできない
おまとめ先の金利が現在よりも上がってしまうと、返済合計が増えてしまいます。
月々の返済額によっては、返済期間が長くなってしまうという欠点もあります。何度かお伝えしているように、おまとめローンは基本的にカードローンのように追加借入はできません。
おまとめローンにはどんなものがある?代表的な5社を紹介!
アコム「借換え専用ローン」
金利 | 7.7%~18.0% |
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限度額 | 300万円 |
審査時間 | 最短30分 |
融資時間 | 最短即日 |
大手消費者金融「アコム」のおまとめローンです。
名前は「借り換え専用ローン」となっていますが、おまとめをするための専用ローンです。特長は審査時間が最短30分で即日融資可能とスピーディーな点です。おまとめローンは時間がかかるケースが多いため、この点はかなりのメリットです。
消費者金融系ですが総量規制の対象外になります。
おまとめできるのは貸金業者(消費者金融・信販会社・クレカのキャッシング枠)のみです。銀行カードローンやその他のローンには利用できません。借入後は返済していくのみとなります。
アコム「借り換え専用ローン」についはこちらの記事でも解説していますので、そちらも参考にしてください。
プロミス「おまとめローン」
金利 | 6.3%~17.8% |
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限度額 | 300万円 |
審査時間 | 最短30分 |
融資時間 | 最短即日 |
プロミス「おまとめローン」は、大手消費者金融「プロミス」のおまとめ専用ローンです。
特長は消費者金融らしく、スピード審査&スピード融資が可能な点です。審査時間は最短30分で即日融資可能と、申込~融資まで迅速に対応してくれます。
プロミス「おまとめローン」の場合もカードローンとは違い、総量規制の対象外になります。ただし、利用できるのは貸金業者からの借入のみです。銀行カードローンやクレジットカードの支払には利用できません。
アイフル「おまとめMAX」
金利 | 3.0%~17.5% |
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限度額 | 800万円 |
アイフル「おまとめMAX」は、現在アイフルを利用中、または過去に利用した方専用のおまとめローンです。
※アイフルを初めて利用するという方は「かりかえMAX」という商品が利用できるようになっています。
よって、アイフルを利用したことがある方しか利用できません。
アイフルは消費者金融ですが、おまとめMAXに関しては総量規制の対象外になります。ただ、アコムやプロミスのおまとめローンと違い、一部の銀行カードローンなどの債務もおまとめができるという点です。
このあたりの詳細は下のリンク先に書いていますので参考にしてみてください。
東京スター銀行「スターワンバンクローン(おまとめローン)」
金利 | 5.8%~14.8% |
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限度額 | 1,000万円 |
審査時間 | 最短3日 |
融資時間 | 2週間程度 |
東京スター銀行の「スターワンバンクローン」は、銀行のおまとめローンです。
特長は上限金利の低さです。上限金利14.8%とまずまずの低金利です。また、限度額も最高1,000万円とかなり高額です。おまとめローンとしては珍しく、追加の借入が可能という利点もあります。
スターワンバンクローンのおまとめ対象となる借金はかなり広めです。消費者金融&銀行のカードローンだけでなく、クレジットカードの支払、信用金庫・信用組合・労働金庫からの借入などもおまとめ可能です。その一方で年収制限があるなど、申込条件はやや厳しくなっています。
参考:東京スター銀行 スターワンバンクローン(おまとめローン)
イオン銀行「イオンアシストプラン」
金利 | 3.8%~13.5% |
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限度額 | 700万円 |
審査時間 | 2~3日程度 |
融資時間 | 約1週間~2週間(イオン銀行の口座あり) 約2週間~3週間(イオン銀行の口座なし) |
イオン銀行の「イオンアシストプラン」は、使い道が自由なのでカードローン以外にも、車や住宅のローン、プライダルローン、クレジットカードの支払など、様々な借金にも利用することができます。
上限金利が13.5%とかなり低めになっていることも大変魅力的です。
おまとめローンの審査についてのよくある疑問をスッキリ解決!
ここではおまとめローンの審査について、多くの方が気になるであろう疑問に回答してみました。「審査について気になっていることがある」このような場合に参考にしてもらえれば幸いです。
おまとめローンの審査は厳しいか?
おまとめローンの審査は厳しくなる傾向にあります。理由は2つあり、「他社借入金額と件数が多くなる」、「多重債務者向けのローンだから」という点です。
他社借入金額と件数について
おまとめローンを利用する人は複数の会社から借入をしている方が大半です。
この場合、他社借入金額が多くなりがちです。ローン会社にとっては高額の融資ほど、リスクが大きくなりますので、審査をより厳格にされる傾向にあります。
多重債務者について
おまとめローンは多重債務者向けのローンです。
多重債務者になっている人の多くは、「借金まみれでどうにもならない」という人がほとんどです。こうした人たちは、延滞や借り倒れのリスクが高くなります。そのため、ローン会社も警戒し、審査が厳しくなります。
おまとめローンの審査に通りやすくする方法はある?
残念ながら、今すぐ審査に通りやすくするための方法はありません。
審査の合否は、現時点での返済能力や信用情報によって判断されるからです。ただし、多少時間がかかっても良いなら方法はあります。
その方法はシンプルで「他社借入金額と件数を減らす」ことです。他社借入金額と件数を減せば、それだけ借金の合計額が減ります。おまとめするための金額が小さくなりますので、審査のハードルも下がるんですね。
ただし、完済した借金は契約を解除するようにしてください。契約続行していると「将来的な借金」を警戒される恐れがあります。とくにカードローンの場合、自動契約ですので完済しても契約は終了しません。完済後、自分で手続きをする必要がありますので注意しておきましょう。
おまとめローンの審査に落ちてしまう原因は?
ローン会社に審査落ちの原因を聞いても回答してくれません。そのため、本当のところはよく分らないというのが現状です。ただし、おまとめローンの審査に落ちてしまう原因でもっとも考えられるのが以下の3つです。
他社借入金額と件数が多い
他社借入金額と件数が多いと借金の合計額が増えます。
おまとめローンがいくら高額の融資に対応したローンだとはいえ、融資額には限度があります。そのため、他社借入金額と件数が多すぎると審査に通るのが厳しくなります。
スコアリングの点数がローン会社の基準に満たない
おまとめローンの審査は「スコアリング」という方法でおこなわれます。
スコアリングとは、年収や職業などの情報をそれぞれ採点化する審査方法です。審査の合否はその点数によって決まるんですね。スコアリングの点数が、申込した会社の合格基準に満たない場合、審査には通りません。
スコアリングについてはこちらの記事で詳しく書いています。
信用情報に事故情報がある
信用情報に事故情報がある場合、審査にはまず通りません。
長期延滞や強制解約、任意整理・自己破産・個人再生などを起こすと、金融事故として信用情報に一定期間の間、その情報が記録されてしまいます。この間は残念ですがまず審査に通りません。
おまとめローンの審査のときに勤務先へ電話があるって本当?
おまとめローンの審査に申込と、審査の一環として「在籍確認」があります。
在籍確認は申告した職場に電話をされることになります。しかし、安心してください。在籍確認の電話は担当者の個人名でされます。「◯◯◯(金融機関名)と申しますが・・」なんて名乗ったりすることはありませんので心配は入りません。
おまとめローンの審査に必要な書類は?
審査に必要な書類は「本人確認書類」と「収入証明」の2点です。例えば、東京スター銀行「スターワンバンクローン」の場合、以下のような書類を提出することになります。
- 本人確認書類
- 運転免許証
- パスポート
- 収入証明
- 源泉徴収表
- 確定申告書
- 住民税決定通知書
- 課税証明書
スターワンバンクローンであれば、上記のいずれか1点づつを提出する必要があります。他社の場合であっても多少の違いはあれど、大まかな部分はおなじです。
おまとめローンの審査時間はどれくらいか?
審査時間に関してはローン会社によって異なります。大手消費者金融系のおまとめローンなら、最短30分と非常にスピーディーです。銀行のおまとめローンの場合は2~3日程度というところが多くなっています。
おまとめローンの融資時間は?
融資までの時間も審査時間とおなじでローン会社によって異なります。大手消費者金融系なら即日融資も可能ですが、銀行のおまとめローンだと時間がかかる場合があり、2~3週間かかるケースもあります。
おまとめローンで失敗しないための金利の基礎知識!
おまとめローンを利用するときは、なるべく低金利なところを選ぶようにしてください。
現在よりも金利の高いところでおまとめしてしまうと、支払利息が増えてしまいます。例えば、現在、50万円を金利16.5%・50回払いで利用しているとしましょう。これを金利18.0%のおまとめローンに変更してしまうと以下のように利息が増えてしまいます。
借入額 | 金利 | 利息額 |
---|---|---|
おまとめ前 80万円 | 16.5% | 31万1,528円 |
おまとめ後 80万円 | 18.0% | 34万2,841円 |
上記のように金利の高いところでおまとめしてしまうと、利息が増えてしまいます。
月々の返済額は減るかもしれませんが、最終的な支払額が増えますので、賢くおまとめしたいなら、なるべく低金利なおまとめローンを利用するようにしなくてはいけません。
おまとめローンで得するケース&損するケース!
おまとめローンを利用する前には、得するケースと損するケースをしっかり把握しておく必要があります。それを知っておくことで、賢くおまとめすることが可能です。
おまとめローンで得するケース
金利が下がり返済期間も短縮できる
もっとも望ましいのが、金利が低くなり返済期間も短縮できることです。この場合、金利が下がるだけでなく返済期間も短くなりますので、利息を払う回数が減るため、大幅に利息額を減らせます。
例えば、90万円を金利18.0%・返済期間1200日で借入しているとしましょう。この場合の利息は以下のようになります。
上記の借入を金利14.5%・返済期間1000日でおまとめしたとすると、以下のように利息を軽減できます。
金利が低くできた
何度かお伝えしているようにおなじ返済期間でも、金利が低くなれば、利息をカットすることができます。賢くおまとめローンを利用したいなら、おまとめ先に選ぶのは今よりも上限金利が低いところにすることが必須です。
おまとめローンで損してしまうケース
金利が上がってしまった
金利が上がるとその分、利息が増えてしまいます。月々の返済額は減るかもしれませんが、現在よりも金利の高いところでおまとめするのは、賢い選択とは言えません。
金利が少ししか下がらずに返済期間が延びてしまった
金利が少ししか下がらないのに返済期間が延びてしまうと、利息が増えてしまう可能性が高いです。例えば、110万円を金利15.0%・返済期間1,460日で借入している場合、利息は以下のようになります。
上記の借入を金利14.5%・返済期間1,600日でおまとめしたとすると、以下のようになります。
この場合、金利が0.5%しか下がっていないにも関わらず、返済期間が1,460日⇒1,600日に延びていますので、利息が増えてしまっています。金利があまり変わらないおまとめローンを利用するときは、返済期間をおなじにするか、短くするようにしなくてはいけません。
金利は下がった大きく返済期間が延びてしまった
金利が下がっても、大きく返済期間が延びると利息が増加してしまいます。仮に80万円を金利17.5%・返済期間1,095日で借入しているとすると、利息は以下のようになります。
上記の借入を金利15.0%・返済期間1,825日のおまとめローンに変更すると、以下のように利息が増加してしまいます。
この場合、金利が17.5%⇒15.0%に下がっていますが、返済期間が1,095日⇒1,825日に大きく延びていますので、支払う利息が増えてしまいました。このように金利が下がる場合でも、利息が増えてしまうことがありますので返済期間には注意です。
おまとめローンに最適なカードの3つの条件!
おまとめローンに最適な条件は「金利が低い」、「限度額が高い」、「月々の返済額が今よりも低い」の3つです。おまとめ先を選ぶときはこの3つに注目して選択するようにしましょう。
金利が低い
金利を見るときは必ず上限金利を見るようにしてください。
例えば、「4.0%~15.0%」のローンの場合、「15.0%」のほうに着目してください。下限金利の4.0%は最高限度額が設定されたときの金利ですので、まず適応されることはありません。
金利は審査が終わるまで何%になるか分りません。
そのため、なるべく上限金利が低いところでおまとめするようにしてください。複数社から借入しているときは、加重平均金利を算出し、それよりも低金利なおまとめローンを利用しましょう。
限度額が高い
おまとめローンの場合、借入希望額が高くなりがちです。限度額があまりに低いローンだと、借入希望額に届かないことがあります。最低でも100万円はほしいところです。
月々の返済額が今よりも低い
おまとめローンを利用する方の中には、「月々の返済額を減らしたい!」という理由でおまとめする方も多いかと思います。せっかくおまとめしても、月々の返済額が増えてしまってはより返済が苦しくなります。そのため、月々の返済額がいくらになるのか事前に確認しておきましょう。
ただし、返済額が少なすぎるのも考え物です。
毎月の返済額が少なくなることが理想ですが、あまりにも少ないと返済が長期化して、支払う利息が増えてしまいます。その辺のバランスはよく考えて利用しなくてはいけません。
借入合計が少ないなら「借り換え」もオススメ!
「1社からしか借入していない」
「借入合計はそれほど多くない」
このような場合なら、「借り換え」もオススメです。借り換えの場合、借入額が多いとカバーできないことも多いですが、借入額が少ないなら対応できる可能性があります。
借り換えはおまとめローンよりも選択肢が多いですし、おまとめローンよりも低金利なカードがたくさんあります。おまとめローンと違いって、使い道自由なため、カードローン以外の借金にも使える点も魅力です。
借り換え先は、消費者金融よりも銀行カードローンにしましょう。銀行カードローンほうが低金利ですので、利息がお得になります。また、借り換えの場合も加重平均金利より、低金利なカードを選ぶことを忘れないようにしてください。
まとめ
おまとめローンを利用する前には、その特徴やメリット&デメリットをしっかり理解しておく必要があります。
そして、おまとめローンとして選ぶなら、なるべく低金利なところにしましょう。低金利なおまとめローンを選択するほど、利息をカットできますので、結果的に支払を楽にすることが可能です。金利が下がっても返済期間によっては、利息が増えてしまうこともありますので、事前に利息がいくらになるのか計算しておくことも重要です。