出産時のお金から幼稚園から大学入学までの学費、さらに習い事などを考えるとそのお金は通算して1000万円ほどかかると言われています。そのため、お子さんがいるご家庭では、計画的な貯蓄をすることがおすすめです。

その方法ですが、銀行に貯蓄したり、金融商品で運用する以外に、学資保険という方法があります。

また、学資保険の商品内容は、各保険会社により異なることが判明。そこで今回はゆうちょ銀行で取り扱われているかんぽ生命の個人年金保険について、ファイナンシャルプランナーが詳しく紹介いたします。

かんぽ生命とは?

かんぽ生命は、ご存知の通り郵便局が取り扱っている保険商品のため、ご自宅の近くの郵便局で気軽に加入することができるというのもおすすめのポイントです。

かんぽ生命の学資保険とは?

そんなかんぽ生命の学資保険は「はじめのかんぽ」という商品。2014年より人気アイドルグループV6の井ノ原快彦さん演じるかんぽさんのCMが放映されています。皆さんも一度は見たことがあるのではないでしょうか?

そんなかんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」の特徴は大きく分けて4つ。

1つは、学資金の受け取りのタイミングが、3つのコースから選べるということ。ご契約者が万が一、死亡されたときには、その後の保険料のお払い込みは必要ないということ、出生予定日の140日前から加入できるということ、17歳満期のコースもあること。

下記でこれらの特徴について、詳しくご紹介していきたいと思います。

学資金の受け取りのタイミングが3つのコースから選べる

ゆうちょ銀行で発売中のかんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」には、3つのコースがあります。「大学入学時」の学資金準備コース、「小・中・高+大学入学時」の学資金準備コース、「大学入学時+在学中」の学資金準備コースです。

いったいどんなコースなのか、詳しくご説明していきます。

まずは大学入学時の入学金に備えるコース。こちらは、多くの生命保険会社と似ている一般的なコースです。

一般的に、大学に入学する前には大学受験のための費用、大学の入学金などと行った初年度納付金、一人暮らしをする場合の初期費用の3つがあります。つまり、子育ての中でも大学入学時は、一時的に大きな出費がかかりがち。「大学入学時」の学資金準備コースは、これらの大きな出費に備えるためのコースになります。

例えば、保険料を17歳または18歳まで払い込むことで、それまで払い込んだ金額を一括で受け取ることができます。300万円を支払ったら300万円受け取れるタイプの商品のため、利率が良いといったメリットはありませんが、銀行口座で貯蓄するよりもメリットは多くあります。

1つは、お子さんが入院、手術した時の医療保険特約がつけられるといったもの。

もし何かあった時にも、医療保険で備えられるというのは大きいですよね。さらに契約者配当金も付くので、払い込んだ額よりも多く受け取ることができるでしょう。

また、上記の他に保険料の総額を抑えることができる12歳で払い込み満了タイプの商品もあります。これは12歳から18歳の間の6年間に運用するため、総額を抑えられる仕組みの商品。

どちらの商品もメリットがありますが、月々の保険料を抑えたいか、保険料の総額を抑えたいかでご自身に合うものを選ぶと良いでしょう。

子育てで一番出費がかかるのは、大学入学時。しかし、小学校、中学校、高校の入学時にも当然出費はかかるもの。特に制服や教材代などは最初にお金がかかりがちですよね。

「小・中・高+大学入学時」の学資金準備コースでは、まず小学校入学前の12月に15万円を受け取れます。ランドセルなどの出費に備えられますね。

次に学資金を受け取れるのは中学校入学前の12月、中学生ともなると制服や部活動の道具にお金がかかりがちですが、30万円もあれば急な出費に家計が火を噴くこともなさそうです。

次に受け取れるのが高校入学前の12月、高校生になると塾に行くこともあるので45万円を受け取れるのはありがたいでしょう。そして、最後に学資金を受け取れるのは大学入学時、300万円で大学入学金などに備えることもできそうです。

つまり、こちらのコースでは保険金を総額で390万円受け取ることができます

また、こちらのコースも17歳・18歳払い込み満了コースと12歳で払い込みを終えるタイプがあるので、ご自身のライフスタイルに合ったコースを選ぶのがおすすめです。

学校への入学時には、お金がかかるモノ。これは大学だけではなく、小学校、中学校、高校の入学時にも言えるもの。しかし、見落としがちなのが、大学在学中の出費

これは授業料や教材費、または留学費などさまざま考えられます。さらに、お子さんが大学入学に伴い、一人暮らしを始めたとしましょう。そうなるとアパートやマンション・学生寮の家賃、水道光熱費、食費などに備えるための仕送りも必要となります。

「大学入学時+在学中」の学資金準備コースは、毎年支払う授業料などを準備して、4年間を余裕をもって過ごすためのコース

これは今までとは違い、学資金を毎年一律の額受け取れるといったものです。例えば同額で300万円うけとれるコースを選択した場合は、大学入学時から4年間75万円ずつ毎年受け取れます。

こちらのコースも他の2つと同じく、払い込み方法を選ぶことができ、さらに医療保険の特約を付けることができるというメリットがあります。

契約者が万が一死亡した時は、その後の保険料払込みは必要ない

ゆうちょ銀行が販売するかんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」では、ご契約者がなくなった時に、その後の保険料を支払う必要はありません。

例えば、もしも契約者であるお父様、またはお母様が払い込み満了を迎えるお子さんが12歳、または17歳・18歳になる前に亡くなったとしましょう。すると、亡くなった時点から払い込みする必要がなくなります

つまり、6歳の時に親御さんが亡くなったとすれば、6歳から払い込み満了日までは保険料を払う必要がないのです。さらに払わなかったとしても、受け取ることができる学資金が減ることもありません

だから、親御さんがなくなったからと言って進学の夢をあきらめなくて良いのです。ご自身に万が一のことがあった時のためにも学資保険で備えておくのは良いかもしれませんね。

出生予定日の140日前から加入できる

学資保険は、契約者が親御さん、被保険者がお子さんとなることが一般的。被保険者であるお子さんが出生する予定日の140日前から加入することができます

これは出生前加入制度と呼ばれるもの。結局払い込む額と受け取ることができる額が変わらないなら特に意味がないのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実は思わぬメリットがあるのです。

お子さんがすでにいる方なら、想像できるかもしれませんが、お子さまが生まれると何かとバタバタとするもの。だからこそ、仕事も休みながら落ち着いて過ごすことができる出生前に手続きをしておくことは後々楽になるのです。

また140日前というと3ヶ月以上前から加入することができるのも魅力的。生まれてからとなると保育園探しやお子さんの子育てでいっぱいいっぱいになりがちなので余裕を持って手続きをすることをおすすめします。

17歳満期のコースもある

ゆうちょ銀行で発売されている学資保険「はじめのかんぽ」には、満期を18歳ではなく17歳に設定することもできます

でも、17歳満期だとどのようなメリットがあるのでしょうか。

大学受験は、高校3年生の1月以降に行なわれるもの、推薦入試ともなれば秋以降に行なわれます。しかし、もしも1月以降に誕生日となれば誕生日に到達するまで、学資保険が受け取れないなんてことにもなりがち。しかし、17歳満期のコースともなれば、しっかりと受験前に受け取ることができるのです

秋以降に生まれたお子さんを持つ親御さんは、17歳満期のコースを検討してみてはいかがでしょうか。

かんぽ生命の学資保険のメリットとデメリットは?

かんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」の魅力は何といっても、特約が充実していること。

先ほど説明した通り、かんぽ生命の学資保険には特約を付けることができます。その特約はお子さんが病気やけがで入院・手術を受けた時に保険金が支払われるといったもの。つまり、特約を付加するだけで、別途子ども用の医療保険に入らなくて良いのです

しかし、デメリットもあります。それは特約をつけることで元本割れをしてしまうということです。もしも、元本割れはしたくないとのことであれば、特約は付加せずに加入することをおすすめします。

また、保険会社が高い利率で運用をできた時に受けられる契約配当金の制度もついているため、将来の経済状況によっては受取予定の額以上のお金を受け取ることもできるでしょう。

かんぽ生命の学資保険に入りたい方は…

ここまでの説明を見てかんぽ生命に入りたいと感じた方は、まずはお近くの郵便局、ゆうちょ銀行に行きましょう。そこで担当者の方から保険の説明を改めて受け、何円受け取りたいか、月々何円支払えるかを決め、申し込みとなります。

かんぽ生命の保険商品は、無審査で入ることができる商品がありますが、学資保険の場合は審査が必要となります。契約が成立するまでに時間がかかりますので、ぜひ出生前の落ち着いている時にお手続きを進めてはいかがでしょうか。

さらに払い込み方法は、口座払い込みから窓口払い込み、毎月払いから前納タイプと多岐に渡るので、こちらも合わせて説明を受けるのがおすすめです。

学資保険の中でも、かんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」に興味がある方は、加入するかしないかに関わらず一度郵便局に足を運んでみてはいかがでしょうか。

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