「携帯料金の支払いが遅れても、携帯が止められるだけでしょ?」

「携帯料金 = 基本料金+通話・通信料」といったザックリしたイメージを持たれている方が割りと多くいらっしゃいます。

もし、基本料金と通話・通信料だけであれば、料金の支払いが遅れても、通話や通信が止められるだけで済みます。ただ、携帯料金は上記以外に、オプション料や分割で支払っている機種代金などが含まれています。

この中でも、とくに気をつけたいのが、毎月支払っている「機種代金」です

携帯料金の支払いが遅れるということは、「機種代金」の返済も遅れているということになります。この返済遅れが、携帯を止められる以上に厄介なことになってしまう可能性があるのです。

携帯料金の滞納 = ブラックリスト?

携帯料金の支払いを長期にわたって滞納してしまうと、携帯そのものの契約を解除されるだけでなく、ブラックリストに載ることにもなり、今後しばらくの間、カードローンや自動車ローン、住宅ローンといった借入れができなくなってしまうおそれがあります

そもそもブラックリストってなに?

携帯料金の支払いを長期間延滞していると、ローンが組めなくなる理由を説明する前に、ブラックリストっていうのは一体なにかという点を説明しておきます。

「ブラックリスト」というと、返済しなかった人などの名前が載っているリストのようなイメージを持たれているかもしれません。

会社によっては独自のリストとして管理しているかもしれませんが、この記事内で言うところの「ブラックリスト」は、カードローンやクレジットカードなどの利用状況や住所、勤務先などの個人の情報が登録されている信用情報に異動情報が載っていることを指します

この「異動」というのは、長期間返済をしなかったというだけでなく、債務整理をした場合や保証会社や連帯保証人などから返済を受けた場合などがあった際に情報として登録されます

この異動情報が信用情報に載っているということは、ローンや割賦販売などの返済が滞ってしまう可能性が高いと判断され、ローンや分割購入などの審査に落ちてしまうというわけです。

これが、一般的に言われている「ブラックリスト」です。

携帯料金の滞納がなぜブラックリストに?

ほとんどの人が、機種変更や新規契約をした場合、携帯本体の代金を分割で支払う契約を行なっています。

この分割での支払いに関する契約は、割賦販売法に定められる「個別信用購入あっせん」にあたります。分割で購入する場合は、先ほど少し触れた「信用情報」へ支払いの状況などが登録されることが義務付けられており、支払いが遅れたりするとその情報が逐一登録されるというわけです。

その支払の情報などが登録されていることがよく分かるのがこちら。

この度、弊社システムの不具合により、お客さまにご契約いただいた個別信用購入あっせん契約/割賦購入契約につきまして、分割支払金等をご入金いただいたにもかかわらず、未入金として信用情報機関※1に登録してしまうという事象が発生しておりました。
誤登録期間中に、信用情報機関※1およびその提携個人信用情報機関※2の加盟会員会社と、クレジット契約のお申し込みなど信用情報を用いた取引をされていた場合には、その取引に影響が生じた可能性がございます。現時点において、誤登録された情報は、全て正しい信用情報へと修正されております。

数年前にニュースで流れていたので覚えている方もいらっしゃるかと思います。

この内容を読んでいただけると、携帯の機種代金を分割で支払う場合、入金(支払い)状況が登録されていることが分かります

つまり、毎月請求される携帯代金には、この分割支払い分が含まれていますので、支払いが少し遅れてしまったというだけでも、指定日に支払いがなかったという事実が信用情報に登録されてしまうのです。

これが、長期間延滞ということになると、異動情報が登録され、晴れて(?)ブラックリスト入りになるという仕組みです。

どのくらい滞納するとブラックリストに載るのか?

長期間の延滞でブラックリスト(異動情報の登録)になるわけですが、この「長期間」っていうのは一体どれくらいの期間を指しているのでしょうか。

異動情報が登録されるタイミングは以下のようになっています。

  • ㈱シー・アイ・シー(CIC)
    • 返済日より61日以上または3ヶ月以上の延滞があるもの
    • 保証会社が返済したもの(代位弁済)
    • 裁判所が破産を宣告したもの
  • ㈱日本信用情報機構(JICC)
    • 入金予定日から3ヶ月以上入金がされていない
    • 債権回収
    • 債務整理
    • 破産申立、特定調停等
    • 保証履行・保証契約弁済

CICとJICCで共通しているのが、返済日(入金予定日)から3ヶ月以上支払いがなされていない場合は異動情報として登録があるという点です。

3ヶ月以内なら異動情報の登録はされないということですが、先述したように、支払いが遅れた時点で「入金状況」へは支払い遅れの情報が登録されるので、他の借入れをする際にはマイナス評価になってしまうことにもなりかねません。

ブラックリストかどうか調べる方法はある?

自分がブラックリストかどうかを調べる方法は、信用情報を開示することで確認することができます。現在、経済産業省の認定を受けている指定信用情報機関は以下の3つです。

  • 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
  • 株式会社日本信用情報機構(JICC)
  • 全国銀行個人信用情報センター(KSC)

docomoやau、SoftBankも個別信用購入あっせん業者として、登録(加盟)しております。各キャリアの登録状況は以下のとおりです。

NTT docomoCIC JICC
auCIC
SoftBankCIC JICC

上記を見ていただけると分かると思いますが、3社とも共通して登録されているのが、株式会社シー・アイ・シー(CIC)ですので、信用情報を確認するのであればCICだけでも問題ないといえます。

CICの情報開示手順

CICで情報開示をする方法は3種類あります。

  • インターネット開示
  • 郵送開示
  • 窓口開示

ここでは、CICの公式サイトでも、早くて便利!とおすすめしている「インターネット開示」の手順を見ていきます。

まず初めに、電話にて受付番号を取得します。(0570-021-717)

受付番号取得時の注意点として、手数料決済で使用するクレジットカード等に届け出している電話番号から受付番号を取得しなくてはいけません

それ以外の電話番号から取得すると情報が取得できない可能性があります。

利用承諾を行なった後、「お客様情報の入力」のページへ移動します。

入力時の注意点が3つあります。

まず1つめに、利用できるブラウザが限定されている点です

Internet ExplorerとEdgeが対応ブラウザとなっているのですが、試しにGoogleのchromeで申込みを進めていくと以下のような画面が表示されます。

この画面から先へ進むことはできるのですが、念のためInternet ExplorerかEdgeを使用するようにしましょう。

2つめは、取得した受付番号と取得時に使用した電話番号を正しく入力してください。これを間違えると情報の開示ができません。

最後の3つめが、利用手数料の決済で使用するクレジットカードの番号等を入力する必要があるのですが、CICでの情報開示にかかる手数料の決済で利用できるクレジットカードと利用できないクレジットカードがあります

利用可能なクレジットカード発行会社は以下のとおりです。

  • 株式会社イオン銀行
  • 株式会社エポスカード
  • 株式会社オリエントコーポレーション
  • 株式会社クレディセゾン
  • 三井住友トラストクラブ株式会社(ダイナースクラブカードに限る)
  • 株式会社ジェーシービー
  • 株式会社ジャックス
  • 株式会社セディナ
  • トヨタファイナンス株式会社
  • 三井住友カード株式会社
  • 三菱UFJニコス株式会社
  • ユーシーカード株式会社
  • ライフカード株式会社

ほとんどのクレジットカードが利用できるのですが、有名どころではマスターカードは利用できないようになっていますので注意が必要です。

お客様情報入力後、内容確認・確定をすれば開示報告書を閲覧するためのパスワードが表示されます。このパスワードは必ず控えておきましょう。

開示報告書はPDFファイルですので、ファイルをダウンロードして保存してください。

公式サイトでもキャプチャ画像を使った手引きが公開されているので、そちらも併せてご確認ください。

参考:株式会社シー・アイ・シー「インターネット開示(画面操作の手引き)」

携帯・スマホ代を延滞したら信用情報にはどのように載るの?

記事内のソフトバンクの例を挙げたところでも少し触れましたが、携帯・スマホ代を延滞すると信用情報に登録されるようになっています。

CICの場合では、このような形で登録されます。

「$」は請求どおりに入金があったことを表し、「A」は支払日に入金がなかった(未入金)ことを表しています

この「A」が続いていたり、頻繁にあると、カードローンやクレジットカード、それ以外の自動車ローンや教育ローン、住宅ローンの審査時に悪影響を与える可能性があるということになるわけです。

この入金状況では「$」と「A」以外に以下のようなものが表示されるようになっています。

これらの表示は、24ヶ月間(2年間)掲載されるようになっていますので、立て続けに支払いが遅れてしまったことがあるという場合は、ローンの審査に何らかの影響があるかもしれませんので、情報が消えるまでローンの申込みは控えた方がいいかもしれません。

ブラックリストに載らないためにはどうすればいい?

当たり前の話になるのですが、支払いが遅れないように支出の管理をすることが一番です

とはいっても、予定外の出費が発生してしまうことは多々あります。そういった場合、可能であるならば「親や友人」から借入れをすることも考えられます。

もし、親や友人からの借入れが難しいというのであれば、最終手段としてカードローンを利用するという手があります。

ただ、カードローンは申込みから借入れまでが非常に早い分、金利が高めに設定されています。

ですので、借入れをするのであれば、最低限の額にとどめ、できるだけ次の月には全額返済するようにしましょう。一括での返済が厳しくて2~3回に分けて払いたいという場合は、極力金利がかからないように「無利息期間」があるカードローンを選択するといいかもしれません。

あと、現在の携帯代金が高くて支払いが厳しいというのであれば、格安SIMへ乗り換えることも検討してみてはいかがでしょうか?

選択するプランなどによっては、毎月の携帯料金をかなり減らすことも可能ですので、格安SIMへの乗り換えも選択しとして入れてみてください。

ブラックリストに載ってしまったらどうなる?

ブラックリスト(異動情報)に載ってしまったら、残念ながら、新規でのローンは組めないと考えておいてください。

異動情報が登録されたあとに延滞分をすべて支払ったとしても、異動情報は5年間掲載されるので、この間は住宅ローンはもちろん、自動車ローンの審査はまず通らないと思ってください。仮に審査に通ったとしても、借入希望額からかなり減額された金額になる可能性が高くなります。

各種ローンの審査が厳しくなるということは、携帯電話の分割購入の審査も厳しくなるということです。

極端な話になりますが、この異動情報が載っている限り、新規でも機種変更でも一括払い以外では携帯電話を変えることができません。

このように、たかだか携帯料金と思って安易に見ていると、かなり不自由になってしまいますので、携帯料金だけでなく他のローンの支払いに関しても返済日にきっちり返すようにしましょう。