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2023/10/11

FXにおけるスプレッドと手数料の違いをシンプルに解説【アナリスト監修】

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この記事のアドバイザ

山下耕太郎

一橋大学経済学部卒業。証券外務員1種の資格を所有。証券会社でマーケットアナリスト、デリバティブディーラーを経て個人投資家に転身。投資歴は20年以上。現在は、日経225先物を中心に、現物株・FX・CFDなど幅広い商品に投資しています。

目次

  1. FX会社を選ぶ時は取引コストを必ず見る
  2. FXのスプレッドについて
  3. FXの手数料について
  4. スプレッドが拡がるタイミング
  5. FX会社選びの際にスプレッドは必ず見よう
この記事はこんな人におすすめ
  • スプレッドの安いFX業者は?
  • 取引コストをなるべく抑えたい!
  • FXの専門用語についてもっと知りたい!

FX会社を選ぶ時、もしくは利益を細かく追求する時に必ず必要になるのが「スプレッド・手数料」の知識です。

FXの実質的なコストは「スプレッド」ですが、中には取引ごとに手数料がかかるFX会社もあります。

スプレッドというのは簡単に言うと売値と買値の差。ポジションを持った瞬間に発生する含み損のことですが、これらについても必要に応じて図解を用いつつ、解説していきます。

FX会社を選ぶ時は取引コストを必ず見る

FXで継続して利益を上げるためには、1回1回の取引コストにも目を向けるべきです。これらを引いた最終的な金額が、FXの利益となるからです

取引コストは、基本的には、安ければ安いほど良いですが、それは業者が必要なサービスをちゃんと提供している場合に限ります。取引コスト以外にも、情報サービスの充実に力を入れている業者も多くあり、これらを含めた総合判断が必要です。

取引コストとサービス充実の両方の業者に口座を持っておこう

国内のFX業者や証券会社であれば、口座開設手数料や、口座維持手数料は、基本的に無料です。

そのうえで、取引用の取引コストの安い業者の口座と、情報コンテンツなどサービスが充実している業者の口座を持っておきましょう。後者の業者で情報を収集しつつ、前者の業者で取引コストを節約して取引するのが、基本的な形となります。

【前提】ほとんどのトレーダーは複数の口座を持っている

FXの世界では、口座を複数所有するのは当たり前と言って良いでしょう。口座を1つしかもっていないトレーダーは、極めて少ないと思ってください。

取引スタイルに応じて使い分けたり、情報収集用の口座をメインの口座を別で持ったりと、活用の幅が広くなっています。口座は無料で作れて維持費などもかかりませんので、できれば複数の口座を持っておきましょう。

FXのスプレッドについて

スプレッドとは、買値と売値の差のことです。外貨を買ったり売ったりする時には、その時の決められた価格で売買をするのですが、その時に業者によって差額が生じます。

下記は、主要FX会社の米ドル円・ユーロ円のスプレッド一覧です。

会社 米ドル/円 ユーロ/円
GMOクリック証券
※原則固定(例外あり)
0.2銭 0.4銭
DMM FX
※原則固定(例外あり)
0.2銭 0.5銭
ヒロセ通商 LION FX
※原則固定(例外あり)
0.2銭 0.4銭
外為オンライン
1.0銭 2.0銭
SBI FXトレード
0.09銭 0.49銭
外為どっとコム
※原則固定(例外あり)
0.2銭 0.5銭
セントラル短資FX
0.1銭 0.4銭
FXブロードネット
※原則固定(例外あり)
0.2銭 0.5銭
情報更新日: 2024年10月09日

このようにFX業者によって、スプレッドに差があります。この数値だけ見ると、「SBI FXトレード」が頭1つ抜けているといった現状があります。

ただし、通貨ペアごとにスプレッドは変わりますし、中には取引量に応じてコスト面が変わる場合もあります。また、FX会社によっては期間限定でスプレッド縮小キャンペーンなどを開催しているケースもあります。

この辺りは実際に使ってみなければ感覚を掴めない部分もありますが、最低でも比較表には目を透しておきましょう

元 証券会社勤務|山下耕太郎

会社によってはスプレッドが広い通貨もある


ほとんどのFX業者のコストは手数料ではなく、スプレッドです。ドルや円、ユーロなどの主要通貨のスプレッドは狭く、トルコリラや南アフリカランドなどの新興国通貨のスプレッドは広くなる傾向があります。取引通貨によってスプレッドは大きく異なるので、自分が取引したい通貨のスプレッドが狭いFX業者を選ぶ必要があります。また、FXは24時間取引ですが、NY時間終了から日本時間オープンまで、朝5時から8時ごろまでは市場の流動性が低くなり、スプレッドが広がります。
また、米雇用統計などの重要指標発表時や、重要な政治イベントの時はスプレッドが大きく開きます。スプレッドはどの程度開くかは予想できないので、思わぬ値段で約定する可能性があることには注意しておきましょう。

スプレッドの確認方法

これは、「SBI FXトレード」の米ドル円の画面です。チャートを見ながらリアルタイム注文ができる、非常に便利なシステムになっています。

実際に取引する場合においては、買う場合は右側の赤い「Ask」と書いてあるボタンを押します。売る場合は、左の「Bid」というボタンを押します。これを見ると、現在のAsk(買値)は113.2810であり、Bid(売値)は111.2783ということが分かります。

つまり、売値と買値の間に0.17銭(0.17pips)の差があります。これがスプレッドという、実質的なコストになります。

SBI FXトレード

満足度
full star
full star
full star
full star
half star
4.2
スプレッド
米ドル/円 ユーロ/円 英ポンド/円 豪ドル/円
0.09銭 0.49銭 0.99銭 0.69銭
取引単価 通貨ペア数
1通貨 34

スプレッドは買った・売った瞬間の含み損になる

基本的にスプレッドはどこのFX会社でも存在します。下記は「GMOクリック証券」の取引画面ですが、さきほどと同じように、BIDとASKの数値に「0.002」の差があります。これが、スプレッド「0.2銭」という表記の理由です。

GMOクリック証券のチャート
画像引用:GMOクリック証券 - FXなど投資を身近にもっと便利にするネット証券会社

必ず「-30円」からスタートする

GMOクリック証券は、最小取引単位が10,000通貨になっています。仮に10,000通貨取引で今この瞬間に買った場合でも売った場合でも、スプレッドが差し引かれた状態からの取引になります。つまり、BIDでもASKでもボタンを押した瞬間は「-30円」の状態になるのです。

例えばこの状態でASKを選択した場合は、時間が経って「112.057円」まで上がったら、その時点でプラスマイナスゼロということです。さらに時間が経って「112.067円」まで上がったら、100円のプラスということです。

スプレッドが広いほど短期で利益を出すのは難しくなる

FX業者によっては、米ドル円のスプレッドが2銭や3銭になっている所もあります。仮にスプレッドが3銭の場合、上記の例で言うとポジションを建てた瞬間に「マイナス300円」からスタートすることになります。短期売買を繰り返す人は、この差は想像以上に響いてきます。

GMOクリック証券

満足度
full star
full star
full star
half star
non star
3.7
スプレッド※原則固定(例外あり)
米ドル/円 ユーロ/円 英ポンド/円 豪ドル/円
0.2銭 0.4銭 0.9銭 0.5銭
取引単価 通貨ペア数
1000通貨 20

元 証券会社勤務|山下耕太郎

短期売買で取引回数が増える人はスプレッドに注意


取引回数が多くなればなるほど、スプレッドの影響は大きくなります。特に、数ピップス程度の小さな値幅を狙うスキャルピング(超短期売買)では、同じ値幅で動いた場合、スプレッドが狭いほうの利益が大きくなります。
スキャルピングをメインにするトレーダーは、まずドル円やユーロドルなどスプレッドの狭い通貨を選んだうえで、より狭いスプレッドのFX業者を探すようにしましょう。そして、経済指標の発表がなく、流動性の高い欧州時間から米国時間の前半はスプレッドが小さくなるので、スキャルピングに適した時間といえます。短期で取引回数が増える人ほどスプレッドに注意する必要があります。

スプレッドは変動することもある

「SBI FXトレード」でも、「GMOクリック証券」でも、スプレッドの値は「原則固定」です。しかし、例外的にスプレッドが拡がる場合があります。

例えば、何か大きなニュースが出て、市場の流動性(買いたいときに売り手、売りたいときに買い手がちゃんといること)が低下することがあり、この場合スプレッドが拡がります。スプレッドが拡がるとそれだけ、評価損益がマイナスの方向に移行します。

スプレッドの変動に注意

また、FX業者によっては、そもそも原則固定ではなく、常に変動するスプレッドになっている場合もあります。そうなってくると、コストの計算が難しくなってくるので、基本的には原則固定のスプレッドとしている会社を選ぶのが賢明でしょう。

一般的に「米ドル円スプレッド=0.2~0.3銭の会社」を業界最狭水準スプレッドと呼んでいます。コスト面を重視したいという人は、1つの選択基準にしておきましょう。

FXの手数料について

FXで発生するコストは、9割型スプレッドと考えても問題ありません。しかし、一部のFX会社では、取引ごとにスプレッドに加えて手数料が発生する場合があります。

手数料の計算方法

手数料は基本的に、取引数量×(業者の定める手数料額)によって決まります。

例えば、「マネースクエア」のドル円の手数料は、1000通貨当たり30円(2017年10月14日現在)となっていますから、1万ドルの買いをするときには、その10倍の300円となります。

手数料はスプレッドに換算するとよくわかる

1万ドルの取引で、300円というのが実際に高いか安いかは、金額を見るのではなく、スプレッドに換算するとわかりやすいです。ドル円の場合、1万ドルの取引をすると、1銭(1pips)あたり100円の損益になります。したがって、300円というのは3銭分(3pips)分の価値があるということになります。

ここで、計算した手数料のスプレッド相当分と実際のスプレッドを合計したものが、実質の取引コストとなります。マネースクエアの場合、ドル円のスプレッドは3銭なので、手数料と合わせて6銭の取引コストとなります。

マネースクエア

満足度
full star
full star
full star
half star
non star
3.2
スプレッド
米ドル/円 ユーロ/円 英ポンド/円 豪ドル/円
- - - -
取引単価 通貨ペア数
1000通貨 11

国内FX会社の多くは手数料無料

国内のFX会社の多くは、口座開設手数料も取引手数料も無料です。実質的な手数料であるスプレッドは全てのFX会社でかかります。

以下で紹介している国内FX会社口座数ランキングに入っている所は、全て口座開設手数料・取引手数料ともに無料です。

FX口座数ランキング
画像引用:矢野経済研究所:有力FX企業16社の月間データランキング-2019年2月-

スプレッドが拡がるタイミング

スプレッドは、上で書いた通り原則固定ですが、例外的にスプレッドが拡がる場合として、次のイベントには気を付けましょう。

重要指標発表時

政策金利や雇用統計、インフレ率などの重要な経済指標が発表される場合には、ほぼ例外なくスプレッドが開きます。もちろん、これらのイベントは大きく為替が動くので収益を上げるチャンスになりますが、一方でスプレッドが拡大することによって思わぬ損失を被ることもあるので、初心者の方は特に気を付けましょう。

重要な政治イベントの時

例えば、2016年でいえばイギリスのEU離脱を決める国民投票や、アメリカの大統領選挙などがこれにあたります。とりわけ前者の場合、業者によっては100pipsを超えるスプレッドになったことにより、ロスカットされた例も少なくありません。

もちろん、突発的な政治イベントは避けられませんが、このイギリス選挙とアメリカの選挙は事前にFX会社が何度も警告を発していました。したがって、このような重要イベントの際には、取引を控えるか、普段よりもリスクを押さえて取引されることをお勧めします。

天変地異など予期せぬスプレッド拡大への対策

それでも、天変地異や戦争など、予期せぬイベントによってスプレッドが発生する事態は避けられません。こうした事態に備えるには、大きく分けて2つの方法があります。

緊急時の対策
●適切なストップロス(逆指値)を設定する
●スプレッドが拡がってもロスカットされないよう、入金額に応じた適切な大きさの取引をする

とりわけ、2つ目は非常に重要です。天災の場合は、予想できませんが、戦争など人為的なものは、何か起こりそうだといわれている場合は、オーバートレードは避け、取引数量を減らし、リスクを押さえましょう。

元 証券会社勤務|山下耕太郎

システムの強さや約定力が高いと評判の会社を選ぶ


普段のスプレッドが狭くても、相場急変時にスプレッドが大きく開いたり、システムが脆弱で約定能力が低かったりする場合、思わぬ損失を被る可能性があります。特に取引数量が多い場合には、スプレッドよりも約定能力が高いFX業者を選ぶ必要があります。また、過度な短期売買を禁止しているFX業者もあります。その場合は、NDD方式を採用しているFX業者が安心です。NDD方式はディーラーを通さず、直接インターバンクにつながる金融機関へ注文をだすので、スキャルピングでも安心して取引できます。スプレッドの狭さだけでなく、システムの強さや約定力が高いと評判のFX業者を選びましょう。

FX会社選びの際にスプレッドは必ず見よう

FXの利益=(為替差益+スワップポイント)ー取引コスト

取引コストがどれくらいかかるかは、上記のスプレッドが拡大する場合など例外的な場合を除いて、自分でコントロールすることができます。

つまり、取引コストを減らしたければ、取引回数を減らし、1回の取引で大きな利益を狙うことをお勧めします。

短期トレーダーはスプレッド比較は必須

一方で、スキャルピング(超短期売買)では、何度もスプレッドの影響を受けるため、なるべく狭いスプレッドを提供している業者選びが重要となります。

基本的には下記で紹介している「業界最狭水準スプレッド」の会社を選べば、コスト面では問題ないでしょう。

業界最狭水準スプレッド「SBI FXトレード」

グループ会社単位でもっともFX口座数が多いのは、「SBI FXトレード」などを手がけるSBIグループです。米ドル円のスプレッドは「0.17銭」となっているので、他社と比べて頭1つ抜けていると言って良いでしょう。

スワップの設定値も高く、最少取引単位が1通貨なので取引の自由度も高い。プロからも初心者からも選ばれているFX会社です。

SBI FXトレード

業界最狭水準スプレッド「DMM FX(PR)」

最初の資金が5万円くらい以上ある人は、10,000通貨単位の取引がオススメです。DMM.com証券の「DMM FX(PR)」も、国内のFX口座数で見た時にはトップクラスなので、安心して取引をする事ができます。

米ドル円スプレッドは「0.2銭」で原則固定(例外あり)、初心者向けのLINEサポート機能実装など、嬉しいサービスが整っています。

DMM FX

業界最狭水準スプレッド「GMOクリック証券」

こちらも業界トップクラスの取引量・口座数を誇る、GMOをグループの「GMOクリック証券」。PCでもスマートフォンでも快適な取引環境を実現しており、外出先からでもストレスなくFX取引をすることができます。

30代 / 男性

ユーザー評価
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full star
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half star
4.5

FX初心者の際から使用しております。率直な感想と致しましては、「1.わかりやすい2.使いやすい」という事です。手続きや操作方法が簡便であることは勿論、各種ツールが初心者にも使用しやすいアレンジに設定されていると感じます。

GMOクリック証券FXネオ
この記事で紹介したFX会社

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