この記事のアドバイザ
目次
- この記事はこんな人におすすめ
- ✔ FXのスイスフランはどんな感じ?
- ✔ スイスショック後の動向が気になる!
- ✔ ショートポジションでスワップ利益を狙いたい!
スイスフランは、FXの世界ではいわゆる「安全通貨」として知られています。日本円と並んで、リスクが高まった時には安全資産であるスイスフランに替える人が多いという事ですね。
かつては、対ユーロでの固定相場制を採用していたスイスフランですが、スイスショック(後述)後は、変動相場制に移行しています。スイスフランの特徴は、なんといってもマイナス金利であること。日本でも2019時点で採用されていますが、これを活用して高いスワップポイントを狙った取引も可能です。
では、スイスフランの特徴と、取引をする際のおすすめFX会社について見ていきます。
スイスフラン(CHF/JPY)の特徴
画像引用:スイスフラン円チャート(DMM FX)
このチャートを見て、まず目を引くのはやはり2015年1月15日に起こったスイスショックの上髭ですね。この時の高値は、業者によってはレートがフリーズしていた時期があるなどの理由で、業者によってはもっと安いこともあるのですが、「DMM FX」の場合は一時151円台を付けたというデータが残っています(スイスショックについては、注意点のところでもっと詳しくご説明します)。
スイスフランは、日本円と同じ安全資産として知られています。つまり、世界的に何か事件が起こると安全資産としてほかの通貨が売られスイスフランが買われる傾向があります。
永世中立国スイス
アルプスの少女ハイジの故郷としても知られるスイスは、永世中立国としても有名です。また、有名時計メーカーのロレックスもスイスのメーカーであるなど、高い技術力は全世界で評価されています。
スイスの政策金利
- スイスの政策金利
- ●2009年3月~:0.25%
- ●2011年8月~:0.00%
- ●2015年2月~:-1.25%
ご覧のように、マイナス金利をかなり長期間にわたって適用しています。
したがって、日本円と同様に資金調達通貨としてスイスフランが採用されることは、欧州では多いようです。つまり、金利の低い通貨を借りて、金利の高い通貨に投資することで金利の差益を得ようとする、キャリートレードが積極的に行われています。
ただ一方で、いわゆる実質金利(面目金利-物価上昇率)は高く(スイスの物価上昇率は-。つまりデフレです)、それがスイスフランの底上げ圧力となっていることには注意が必要です。
元 証券会社勤務|當眞嗣也
マイナス金利はお金を円滑に回すための施策
マイナス金利を導入する理由として通貨の上昇を阻止する狙いがあります。スイスもマイナス金利政策を導入しています。マイナス金利ということは、お金を預けた場合減っていくということです。減るとなると、違うところに預けようとします。
結果、銀行はお金を出来るだけ企業や個人向けに融資するようになり、ローンの金利や審査が緩和され、消費者はお金を借りやすくなります。このように、お金を円滑に回すための施策となっています。ただし2020年にはインフレ率が1.9%まで上昇すると予想されており、そうなると金利の引き上げに動く可能性が高いです。売りのポジションを持っていると大きな損失になる恐れもあるので注意しましょう。
スイスフラン(CHF/JPY)取引時の注意点とメリット・デメリット
スイスフランの特徴を一言でいうと、マイナス金利通貨&先進国通貨&デフレ通貨ということが挙げられます。したがって、メリット・デメリットも日本円のそれに近いものになります。
- メリット
- ✓マイナス金利通貨なので、ショートポジションで利益が出る
- ✓時折行われるスイスフラン売りの為替介入の動きに乗ることで利益を伸ばせる
- デメリット
- ✓2015年1月15日にスイスショックが起こった
- ✓流動性が低く、事件発生時にはレートが飛ぶことがある
スイスフラン円の場合。対ドル、対ユーロの場合、ドルスイス、ユーロスイスとうように順番が反対になるため、これらの通貨ペアではロングポジションがプラススワップの対象になります。
スイスフラン円(CHF/JPY)を取引する時の注意点
スイスフランを語るうえで欠かせないのが、スイスショックです。
かつてSNB(スイス国立銀行)は対ユーロで1ユーロ=1.2スイスフランよりもスイスフラン高にはさせないと宣言し、実際に無制限介入を行っていました。しかし、世界的なユーロ安の進展によりこの水準を維持することが難しくなったのか、突然2015年1月15日(日本時間)にこの水準を廃止と発表したのです。
これによってスイスフランは一瞬のうちに40%以上も大暴騰(115円台から一瞬154円台へ)し、先ほど月足チャートでご覧いただいた長い髭の大半はこの日のわずか数時間のうちに形成されました。
その後は、乱高下を繰り返しつつも徐々に値動きは安定していっています。なお、SNBは具体的な水準こそは撤廃したものの、為替介入自体は実施しており、取引する際にはSNBの動向も加味する必要があります。
元 証券会社勤務|當眞嗣也
スイスフラン円は金利差を活かした中長期戦略がおすすめ
スイスフランの取引戦略としては、金利差を活かした中長期戦略です。先進国中で最も低い金利のスイスフランはキャリートレードに向いています。キャリートレードは、金利の低い通貨で金利の高い通貨を買うことで、金利差で利益を上げていく方法です。金利差で利益を生むキャリートレードは中長期の取引に向いています。
また、スイスフランは金融機関の管理体制がよく、永世中立国という立場上、国際的にも信用度が高い通貨ですので、中長期保持しても安心できるのが最大の強みと言える通貨です。スイスフランを運用する場合は、キャリートレードを有効に利用しましょう。
スイスフラン(CHF/JPY)を取引するのにおすすめのFX会社
日本では、スイスフラン円が有名ですが、世界的に見た場合には対ドルや対ユーロでの取引のほうが盛んです。ポンドフラン、ユーロフランなどの取引をしているトレーダーは世界中にたくさんいます。
また、どの通貨と組み合わせるかによって値動きが大きく異なるため、できるだけ多くのバリエーションを取り扱っている業者を選びましょう。
業界大手「GMOクリック証券」が有名
「GMOクリック証券」は、トレーダーにとって使いやすいシステム開発力と、好条件で様々な通貨ペアを取引できることが強みの業者です。特に「スピード注文」と呼ばれるツールは、瞬間的な判断を要する取引にも十分対応できるため、スキャルピングとレーダーからの評価も高いです。
会社 | スイスフラン/円 |
---|---|
GMOクリック証券 ※原則固定(例外あり) |
1.8銭 |
会社 | スイスフラン/円 | |
---|---|---|
買 | 売 | |
GMOクリック証券 | -17円 | 14円 |
またGMOクリック証券は、FXのほか株式や投資信託、外為オプション(バイナリーオプション)も取り扱っているなど、一つの口座で多彩な取引を行うことが可能です。
私はトレンドを重視したスイングトレードを行いますので、早いばあいは数時間以内に決済してしまいます。そのため、為替レートの値動きのトレンドを把握しやすいチャートは、使いやすいと感じています。移動平均線とローソク足がとても見やすいです。
GMOクリック証券
スプレッド※原則固定(例外あり) | |||
---|---|---|---|
米ドル/円 | ユーロ/円 | 英ポンド/円 | 豪ドル/円 |
0.2銭 | 0.4銭 | 0.9銭 | 0.5銭 |
取引単価 | 通貨ペア数 | ||
1000通貨 | 20 |
総合力の高い「DMM FX」もおすすめ
「DMM FX(PR)」を提供するDMM.com証券は、2019年1月時点でFX口座数国内1位(2019年ファイナンスマグネイト社調べ)となっています。それだけ多くのFXトレーダーに選ばれているFX会社という事です。
会社 | 米ドル/円 | ユーロ/円 | 豪ドル/円 | スイスフラン/円 | ユーロ/ドル |
---|---|---|---|---|---|
DMM FX ※原則固定(例外あり) |
0.2銭 | 0.5銭 | 0.6銭 | 1.8銭 | 0.4pips |
スイスフラン円をはじめとする20の通貨ペアのスプレッドは業界最狭水準のものが多く、コスト面を重要視してFX会社を選びたいという人には向いています。
また、スワップについては売りスワップと買いスワップを同等の値としている点が特徴的です。
会社 | 米ドル/円 | 豪ドル/円 | NZドル/円 | スイスフラン/円 | ユーロ/ドル | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
買 | 売 | 買 | 売 | 買 | 売 | 買 | 売 | 買 | 売 | |
DMM FX | 46円 | -48円 | 18円 | -19円 | 17円 | -60円 | -8円 | 5円 | -67円 | 64円 |
DMM FXは控えめに言っても「安定感のあるFX会社」です。利用者数・サービス提供の歴史・DMMグループというブランド力を考えても、持っておいて損はないFX口座の1つと言えるでしょう。
【まとめ】スイスフランについて
スイスフランはスイスショックの印象が強いですが、ヨーロッパの安全資産として未だに高い注目を集めています。
また、先ほどご紹介しましたように、米ドルなど高金利の通貨と組み合わせることで、クロス円以上の高いスワップポイントを享受できることも特徴です。したがって、SNBの動向に注意しつつ、適切なストップロスを置き、レバレッジをかけすぎないなどの配慮をしたうえで、長期目線に立ってトレードされることをお勧めします。
- この記事で紹介したFX会社
- ■GMOインターネットグループ「GMOクリック証券」
- ■DMM.com証券「DMM FX(PR)」
元 証券会社勤務|當眞嗣也
スイスフランは日本円と並ぶ安全通貨
スイスは永世中立国であるため戦争などの影響を受けにくく、経済的にも2%程度の成長が続いているため、日本円と並ぶ安全通貨として利用されています。スイス経済は高価な時計や医薬品の輸出などによって支えられており、失業率も低いため政治経済が他の国に比べて安定しているのも特徴です。
経済の動きは金利変動に大きく影響するため、経済が安定しているスイスフランは避難通貨として人気です。
有事の時のために、資産分散の一つとして、スイスフランを運用しておくのもいいでしょう。安定しているスイスフランといっても、金利政策の内容によっては大きく変わってきますので、常に政治経済の動きはチェックしておいてください。