この記事のアドバイザ
目次
- この記事はこんな人におすすめ
- ✔ FXのノルウェークローネってどう?
- ✔ 北欧が好き!北欧の通貨に投資したい!
- ✔ マイナー通貨で中長期的に利益を狙いたい!
ノルウェーは、豊富な資源と高福祉で有名な北欧の国です。あまり馴染みがないかもしれませんが、意外と人気のある通貨です。かつては、安定感のある高金利通貨として人気でしたが、現在は為替差益も十分狙える通貨となっています。
まずは、ノルウェークローネ円のリーマンショック前後から今に至るまでの値動きの特徴をご案内します。その後、政策金利の推移についてご紹介し、それから具体的な取引をする上でのメリット・デメリット・注意点についてご説明し、最後にノルウェークローネ円を取引するうえでおすすめの業者を紹介します。
ノルウェークローネ(NOK/JPY)の特徴
これは、ノルウェークローネ円のリーマンショック前後からの月足チャート(ヒロセ通商 LION FXより)です。
米ドル円と比べると波の高さは違うものの、上昇OR下降OR横ばいの時期が結構かぶっています。ただ、ドル円はリーマンショック前後の安値を2016年に更新していないのに対し、ノルウェークローネ円の場合には、リーマンショック前後の安値12.1円を更新する、11.4円を2016年につけています。
また、マイナー通貨として有名な南アフリカランド円やトルコリラ円と比べると、あちらはチャートが下向き加減な一方、こちらのノルウェークローネ円は長期的に見て横ばいになっています。つまり、下落するときは下落するものの、上昇するときはしっかり上昇するという特徴があります。
世界有数の資源国&高福祉国家
ノルウェーのある北海は、豊かな漁場であり鯖やサケなどたくさんの魚が取れるほか、産油地としても有名です。原油輸出で得た利益を福祉サービスの充実に投入し、そのため社会状況はかなり安定しています。
出典: 東海東京証券公式ページ資源国とは、様々な貴重な資源を産出する国々の総称を表しています。そうした資源の中には、金や銀、プラチナなどの貴重な鉱物資源や、石油、石炭、天然ガスといったエネルギー資源、食料資源などが含まれます。そうした国々の通貨は、商品市況に影響を受けやすく、インフレの際に買われる傾向があります。主に、オーストラリアや、ニュージーランド、カナダや南アフリカ、ノルウェーやアメリカなどが資源国として注目されています。
また、税金が非常に高い国で、例えば消費税は15%から25%になっています。これにより、潜在的にインフレになりやすいため、政策金利は高めに設定されていた時期がありました。
ノルウェーの政策金利
政策金利 | 2019 | 2020 | 2021 |
---|---|---|---|
1月 | 0.75% | 1.50% | 0.00% |
2月 | 0.75% | 1.50% | 0.00% |
3月 | 1.00% | 0.25% | 0.00% |
4月 | 1.00% | 0.25% | 0.00% |
5月 | 1.00% | 0.00% | 0.00% |
6月 | 1.25% | 0.00% | 0.00% |
7月 | 1.25% | 0.00% | 0.00% |
8月 | 1.25% | 0.00% | 0.00% |
9月 | 1.50% | 0.00% | 0.25% |
10月 | 1.50% | 0.00% | 0.25% |
11月 | 1.50% | 0.00% | 0.25% |
12月 | 1.50% | 0.00% | 0.50% |
上記は、ノルウェーの政策金利の推移です。これと、メジャー通貨の政策金利とを比較してみると、米国(FRB)というよりは、欧州(ECB)のそれと非常に似通った動きをしていることが分かります。
今でこそ、0.50%と超低金利水準ですが、かつては5.75%と高金利であった時期もありました。2008年9月までのことです。ECBもこの時は4.25%とかなりの高金利だったのですが、翌月2008年10月から利下げを開始し、2016年3月にはゼロ金利になりました。ノルウェーも、これと同月に史上最低水準の0.50%への利下げを決定しています。
アメリカとの比較でいえば、同国は2015年から利上げプロセスに入っており、2016年12月の利上げでアメリカの政策金利は完全にノルウェーを上回りました。したがって、現在の世界の潮流の中で、ノルウェークローネは決して高金利な通貨とは言えなくなったのです。
ノルウェークローネ取引時の注意点とメリット・デメリット
今現在はスワップ狙いでの運用はかなり厳しくなったものの、それでもノルウェークローネを取引される方はいらっしゃいます。それは、ノルウェー国内が非常に安定しているからです。その国で何か事件が起こり、レートが乱高下することを「カントリーリスク」と言ったりしますが、ノルウェーはそのリスクが非常に低いのです。
では、それを踏まえたノルウェークローネを取引するメリット・デメリットについてご紹介します。
- メリット
- ✓国内情勢が安定しており、長期的な目線での投資がしやすい
- ✓1万通貨あたり、※約6000円と少額から取引できる
- デメリット
- ✓現在は、かなりの低金利でありスワップ投資には向いていない
- ✓マイナー通貨のため、情報が不足しやすい
元 証券会社勤務|櫛笥大和
中長期で安定的に運用したい人向け
ノルウェークローネは、中長期で安定的に運用したい人におすすめです。ノルウェーは北欧の国であるにもかかわらず、産油国として存在感を示しています。採れた石油や天然ガスは主にユーロ圏の国々に輸出されており、貿易収支は2018年現在も安定して黒字を維持していることから経済も周辺国に比べて安定しています。産油国でありながら中東に位置していないために中東リスクがないこともクローネの魅力でしょう。経済が安定していることから他の資源国に比べて金利が低く、スワップポイントの魅力は乏しいですが、長期のトレンドを見て勝算があるのであれば十分に取引を検討する価値はあるでしょう。
ノルウェークローネを取引する時の注意点
ノルウェークローネは、資源国通貨&マイナー通貨です。資源国通貨の特徴は、資源価格の変動の影響を受けやすいことです。
今でこそ、原油生産量は14位(2017年6月16日のデータ)ですが、それでも天然資源の代表である原油価格との相関性はそれなりにあります。世界的に、資源価格が下落すると上値が重くなる傾向があります。
一方で、マイナー通貨ということで懸念されるのは流動性の小ささです。つまり、取引量が米ドルやユーロに比べると少ないので、レート急変時には値が飛んだり、一時的に取引できなくなるなどのリスクが懸念されます。したがって、レバレッジいっぱいを使って取引するのではなく、ゆとりをもって長期目線で取引するのに向いている通貨です。
元 証券会社勤務|櫛笥大和
情報量・流通量の少ない通貨ペアは中上級者向き
ノルウェークローネは初心者向きではなく、中上級者向きの通貨であるといえるでしょう。その理由として、情報量と通貨の流通量が少ないことが挙げられます。ノルウェーは人口500万人ほどの小国であるために発行・流通している通貨量はほかの通貨と比べて少なめです。
流通量が少ないということは、値が動きやすいということなので突然の乱高下に注意が必要です。また、北欧の国であり、FXの取引通貨としてはマイナーなクローネに関する情報は非常に少ないです。そのため、クローネを取引したい場合には情報を多く提供してくれるFX業者を使うと良いでしょう。
ノルウェークローネ(NOK/JPY)を取引するのにおすすめのFX会社
ヒロセ通商 LION FX
スプレッド※原則固定(例外あり) | |||
---|---|---|---|
米ドル/円 | ユーロ/円 | 英ポンド/円 | 豪ドル/円 |
0.2銭 | 0.4銭 | 0.9銭 | 0.5銭 |
取引単価 | 通貨ペア数 | ||
1000通貨 | 54 |
ヒロセ通商は、マイナー通貨の取り扱いの多さで有名です。ノルウェークローネのほかに、トルコリラやポーランドズロチ、スウェーデンクローナなども取引できます。
また、いわゆる「クロス円」のみならず、対ドルで取引できるドルストレートや、対ユーロでの取引であるユーロクロスも充実しており、その時々の情勢に合わせせて組み合わせる通貨を適宜変更できるメリットがあります。
ちなみに、ノルウェークローネ円の取引環境としましては、スプレッドは3.0銭、買いスワップは1万通貨あたり1円、売りスワップはマイナス8円(いずれも2017年10月31日現在の情報です)となっています。
【まとめ】ノルウェークローネについて
北欧というと、FXではあまりイメージがわかないかもしれませんが、豊富な天然資源と安定した国内情勢が魅力的な投資対象です。
もっとも、マイナー通貨のため情報不足は否めないので、FX会社の情報だけではなく独自に情報を収集する必要があるなど、手間はかかります。しかし、トレンドが出るときは比較的長期間出るので、トレンドフォロー派の方には、むしろ米ドル円より向いているかもしれません。
マイナー通貨は、業者によって取引条件が大きく違ったり、そもそも取り扱っていないこともあるので、よく調べたうえで業者を選ぶ必要があります。
こと細かく取引方法を設定できてとても使いやすい。例えば、新規約定と同時に損切り価格を自動で設定できる。転ばす先の杖のような使い方ができて精神的にも安心できる。この他にも想定できる取引方法が多種多様で、取引する者の立場に立った設計なのがいい。
ヒロセ通商 LION FX
スプレッド※原則固定(例外あり) | |||
---|---|---|---|
米ドル/円 | ユーロ/円 | 英ポンド/円 | 豪ドル/円 |
0.2銭 | 0.4銭 | 0.9銭 | 0.5銭 |
取引単価 | 通貨ペア数 | ||
1000通貨 | 54 |
元 証券会社勤務|櫛笥大和
国単位で見た時の経済が安定している
政策金利が長期間変わっていないことは、その国の経済が安定していることを表しています。政策金利は景気によって左右されていて、好況時には政策金利は高く、不況時には低くなります。また、政策金利が高いと海外からの投資を呼びやすくなるので、国内経済が弱い国の金利は高くなっていることが多いです。注意したいのは、政策金利の変化がない国は経済が安定していることは間違いありませんが、だからと言って好景気であるわけではないということです。
例えば超低金利政策は景気を好転させるために行われますが、行き過ぎると金利をそれ以上下げることができなくなります。景気が好転していない以上金利を上げることもできないので結果として金利は長期間変わりません。その国の分析には、政策金利だけでなく、経済指標にも注目してみましょう。