この記事のアドバイザ
目次
- この記事はこんな人におすすめ
- ✔ 豪ドル米ドルを取引したい!
- ✔ 通貨ペアの特徴は?利益を出すコツは?
- ✔ 豪ドル米ドルの取引に向いてるFX業者は?
日本のFX個人投資家といえば、豪ドル円を取引されるのが一般的ですが、世界的に見れば対米ドルの為替である豪ドル米ドルのほうが有名であるといえます。日本円ではなく、米ドルと組み合わせることによって値動きの特徴も異なったものとなります。
この記事では、まず豪ドル米ドルの特徴について簡単にご紹介し、それから取引する際のメリット・デメリット、注意点についても何点かご説明します。その後、豪ドル米ドルを取引するのにお勧めのFX業者を紹介します。
FXの豪ドル/米ドル(AUD/USD)の特徴
画像引用:豪ドル/ドル月足チャート(DMM FX)
ご覧のように、豪ドルは米ドルに対して弱い状態が続いています。実は、この状況は最近始まったものではなく2013年から、豪ドルは米ドルに対して下落しています。実際2013年時には豪ドル米ドルのレートは1.00以上を付けていたこともありました。
しかし、アメリカとオーストラリアの中央銀行の金融政策の違いから豪ドルは下落を開始し、2015年には一時0.70を割り込む水準まで到達しました。最近も上値の重い状態が続き、0.80を回復するまでにはまだまだ時間がかかりそうです。
昼も夜も動く通貨ペア
なお、日中の値動きとしてはほかのドルストレートと比較して、東京時間にもよく動きます。それは、豪ドルの時間軸が日本時間と重なっていることに起因するところが大きいです。
対してニューヨーク市場が開いているのは、東京やオーストラリアが深夜の時間なので、夜中の時間にも売買が頻繁に行われていて、チャートは動きます。
豪ドルはかつて高金利通貨の代名詞だった
オーストラリアといえば、かつては先進国の中で唯一に近い高金利通貨の国として有名でした。そのため、日本の個人投資家を中心に、外貨預金などで豪ドルを買う人が多く、FXにおいても豪ドルは人気の高い通貨でした。
しかし、最近になって日本を除く世界全体が利上げ方向に向かう中で、オーストラリアは多少出遅れた感があります。とりわけ、豪ドルと米ドルの金利差が逆転した場合、豪ドル米ドルの長期的な値動きにも少なからず影響するものと思われます。
国 | 政策金利 |
---|---|
米国 | 5.25 ~ 5.50% |
豪州 | 4.35% |
豪ドル/米ドル(AUD/USD)取引時の注意点とメリット・デメリット
- 豪ドル/米ドル(AUD/USDの特徴
- ✓スプレッド 最狭水準は0.9pips(原則固定 例外あり)~
- ✓スワップ 金利差が小さいのでロング・ショート共に期待できない
- ✓取引可能なFX会社 「DMM FX」 「SBI FXトレード」 「GMOクリック証券」など
豪ドル米ドルと、豪ドル円の最大の違いはスワップポイントです。豪ドル円の場合、日本円の金利が低いこともあって高いスワップポイントを受け取れますが、米ドルと組み合わせた場合、米ドルの金利が高いため豪ドルの金利と相殺し合ってほぼスワップポイントは付与されないのが現状です。
ただ、それを活かして豪ドルに対して売りから入りやすいというのは長所だといえるでしょう。
会社 | 豪ドル/米ドル |
---|---|
売 | |
GMOクリック証券 | 11円 |
DMM FX | 19円 |
ヒロセ通商 LION FX | 0円 |
SBI FXトレード | 16円 |
外為どっとコム | 16.0ドル |
セントラル短資FX | 16円 |
元 証券会社勤務|山下耕太郎
豪ドル/米ドルどちらかというと短期よりも中長期向けの通貨ペア
豪ドル・米ドルは今年に入って一貫して下落基調が続いています。米国経済の好調さに対し、豪ドルは、商品市況や中国経済の影響を大きく受けます。米中貿易摩擦で、商品市況や中国経済が軟調に推移する中、豪ドルも米ドルに対して弱い展開が続いています。
豪ドル・米ドルは取引量が多く流動性が高いので、値動きが安定的でトレンドが継続しやすい通貨ペアです。そして、豪ドル自体の値動きがあまりない通貨なので、豪ドル・米ドルは短期ではなく、中長期でトレンドを取る手法が向いています。豪ドル円では金利差から売りは仕掛けづらいものの、豪ドル・米ドルでは金利差があまりないので、売りから入りやすいという長所もあります。
- メリット
- ✓1万通貨取引するのに必要な証拠金が少ない
- ✓マイナススワップがほとんどないため、売りからも入りやすい
- デメリット
- ✓スワップポイントはほとんど期待できない
- ✓両方とも高金利通貨のためトレンドが読みにくい
豪ドル/米ドル(AUD/USD)を取引する時の注意点
豪ドル米ドルの取引では、オーストラリアとアメリカの経済指標にどちらも気を付けておくことが重要です。とりわけ、オーストラリアとアメリカの雇用統計は、どちらも市場予想と異なる結果になることが多く、そのため大きな値動きになることが多いです。
また、豪ドル特有の事情として、同国の中央銀行が通貨高を嫌っていることも念頭に置いておく必要があります。特に、政策金利発表時には、政策金利のほか現在の豪ドルのレートに対して言及がある場合がほとんどであり、そこで豪ドル高を抑制するような発言をすることがあるため注意が必要です。
その他、豪ドル全体の特徴としてサポートラインを切れると一気に下落する傾向があるため、注意しておきましょう。
豪ドル/米ドル(AUD/USD)を取引するのにおすすめのFX会社
豪ドル米ドルは、どちらかというとメジャーな通貨ペアであるため多くのFX会社で取り扱いがあります。
上記の通りスワップポイントはあまり期待できない通貨ペアであるため、業者選びの際にはスプレッドと約定力に特化した業者を選ぶことがお勧めです。
利用者数の多い「DMM FX(PR)」がおすすめ
2018年時点で国内で最も多くのFX口座数を誇るDMM.com証券のFXサービスが「DMM FX(PR)」です。実に国内70万口座を誇る、まさにFX業界の大手と呼べる存在です。
スプレッドは業界最狭水準、記事内でも紹介した通りのシンプルでスタイリッシュな取引チャートがウリで、PCがでもスマホでもストレスなくFX取引ができます。
会社 | 米ドル/円 | ユーロ/円 | 豪ドル/円 | ユーロ/ドル | 豪ドル/米ドル |
---|---|---|---|---|---|
DMM FX ※原則固定(例外あり) |
0.2銭 | 0.5銭 | 0.6銭 | 0.4pips | 0.9pips |
豪ドル/ドルだけでなく、上記ほとんどの通貨ペアが狭くなっています。
また、DMM FXでは新規取引の度に「取引応援ポイント」が貯まります。これは後に1ポイント1円で現金に交換することができます。また、DMMグループの各種サービスでも使うことができます。
DMM FXは控えめに言っても「安定感のあるFX会社」です。利用者数・サービス提供の歴史・DMMグループというブランド力を考えても、持っておいて損はないFX口座の1つと言えるでしょう。
私の場合、基本的にトレードはスマートフォンのアプリケーションで行なっていますが、とても使いやすくて見やすいプラットフォームだと思います。時間の反映も遅くない印象です。
総合力の高い「SBI FXトレード」もおすすめ
ネット銀行・証券・投資などで大きな強みを持つSBIグループの一員「SBI FXトレード」もまた、業界最狭水準のスプレッドと高い約定力を両立したFX業者です。
会社 | 米ドル/円 | ユーロ/円 | 豪ドル/円 | ユーロ/ドル | 豪ドル/米ドル |
---|---|---|---|---|---|
SBI FXトレード |
0.09銭 | 0.49銭 | 0.69銭 | 0.38pips | 0.89pips |
2020年オリコン顧客満足度調査FX取引初心者部門1位になっているので、多くのトレーダーに選ばれていることが分かります。スワップの設定も高めになっているので、中長期で豪ドル米ドルの取引をしたいという人にもおすすめです。
ドル円やユーロ円といった主に取引する通貨ペアに関して、スプレッドが他社に比べると非常に狭いので良い業者だと感じています。また、経済指標発表時のようなスプレッドが広がりやすいときでも、ここは安定しており売買しやすいと思います。
【まとめ】豪ドル米ドルの取引について
豪ドル米ドルは、両方とも高金利通貨となっているためやや値動きが読みづらくなってきた感がありますが、マイナススワップの小ささを活かして売りからでも十分利益を狙っていける通貨ペアとなっています。また、東京時間の比較的動くため、ドルストレートを日中にトレードしたいという方にも向いています。
業者選びの際には、上記のスプレッドや約定力を基本としつつ、長期的な取引を安心して行える信頼できる業者を選ぶ必要があるといえるでしょう。紹介したいずれの業者も、口座開設は無料ですので、試しに開設してみてはいかがでしょうか。
元 証券会社勤務|山下耕太郎
取引する通貨ペアはなるべく決めておく
取引する通貨は、まず米ドルを基本に考えましょう。米ドルは基軸通貨として貿易決済や投資に使われています。そして、ユーロや円、ポンド、豪ドルなど流動性が高い通貨ペアの中から取引通貨を決めます。通貨には、ドルストレート(米ドル・円、ユーロ・米ドル、豪ドル・米ドルなど)とクロス通貨(ユーロ円、豪ドル円など)の2種類があります。
クロス通貨の値動きの方がわかりやすいものの、2つのドルストレートの組み合わせのため、ドルストレートよりも値動きが大きくなる傾向にあります。そして、メインになる通貨ペアを決めたら、取引する通貨ペアをあれこれ変えるのはあまり推奨できません。まずは、1つの通貨ペアの値動きや特徴をマスターするようにしましょう。
- この記事で紹介したFX会社
- ■DMM.com証券「DMM FX(PR)」
- ■SBIグループ「SBI FXトレード」
元 証券会社勤務|山下耕太郎
据え置きの続く豪ドルに対して米ドルは利上げを続ける
2008年にはオーストラリアの政策金利は7.25%でした。かつては高金利通貨として人気が高く、スワップ狙いで買う人が多くいました。しかし、リーマンショックを受けて金利を段階的に引き下げ、2016年からは1.5%と過去最低の政策金利になっています。
一方、アメリカは2015年12月から9年半ぶりの利上げを開始。最低水準の1.5%を維持するオーストラリアに対し段階的に政策金利を上げ、2019年では2%台とオーストラリアを上回る政策金利になっています。さらに、来年以降も利上げが予想されています。