この記事のアドバイザ
- この記事はこんな人におすすめ
- ✔ FXのお祭り「米国雇用統計」って?
- ✔ 荒れている相場で勝てるようになりたい!
- ✔ 雇用統計の日の戦略の立て方は?
雇用統計は、FXで定期的に発表される経済指標の中では、重要なイベントの一つと言えます。雇用統計の日にトレードするしないに関わらず、雇用統計の内容について知っておくことが重要です。
雇用統計とは、その名称通りアメリカの雇用情勢(失業率など)を調べたもので、FXトレーダーの多くは注目しています。発表後は、相場が荒れることが多く利益を狙えるチャンスでもあり、損をしてしまう可能性もあるのです。
トレードする場合には、過去の値動きを検討してパターンを探る作業が必要ですが、この記事の最後ではその作業の仕方も簡単にご説明します。
毎月第1金曜にある米国雇用統計とは?
雇用統計とは、その名の通り雇用に関する統計なのですが、単に雇用統計といった場合、FXの世界ではアメリカの雇用統計を指すことが一般的です。
なぜアメリカの雇用統計が重要なのか
雇用統計では何が発表されるのか
これらを見たうえで、具体的なFXトレードの戦略について見ていきます。
雇用統計の重要性
- 米雇用統計が重要である理由
- ✓ 【1】世界経済に与える影響
- ✓ 【2】アメリカの金融政策に与える影響
まず、1点目ですが、アメリカは世界最大のGDP(国内総生産)を誇ります。以下は世界のGDPランキングです。
国 | 名目GDP(2017年) |
---|---|
アメリカ | 19.36兆ドル |
中国 | 11.94兆ドル |
日本 | 4.88兆ドル |
ドイツ | 3.65兆ドル |
イギリス | 2.55兆ドル |
つまり、アメリカの経済情勢が世界経済に与える影響は絶大という事です。
さらに、アメリカのGDPのうち、7割以上が個人消費である、という点も際立っています。また、雇用統計は、アメリカの雇用情勢を示し、個人の懐具合を探るには絶好の指標です。総合すると、雇用統計を見れば、現在~今後のアメリカ人の消費動向が分かり、結果世界経済に与える影響も予測できるということになります。
2点目ですが、アメリカの金融政策に与える影響も無視することはできません。なぜなら、アメリカの金融政策は、世界の基軸通貨ドルの価値に影響を与え、結果ドルと関係するすべての通貨ペアの値動きにも影響を与えます。
世界経済の中心はアメリカ
アメリカの中央銀行に相当する連邦準備制度(FRSまたはFRB、FEDともいう)は、「物価の安定」と「雇用の最大化」次の2つの使命を持っています。
言うまでもなく、雇用統計は雇用の最大化(正確に言うと物価の安定も)を測る格好の指標です。つまり、総合すると雇用統計を見ることで、今後のアメリカの金融政策の行方を予測することができ、結果ドルに関係するすべての通貨ペアの値動きに影響するということになります。
雇用統計の内容
雇用統計では、さまざまな指標が発表されますが、特に注目されているのは、以下の3点です。
- 米雇用統計の注目指標
- ✓ 非農業部門雇用者数
- ✓ 失業率
- ✓ 平均時給
これらが、良い数値を示せば、「その雇用統計はよかった」ということになり、一般的にはドル買いになります。反対に、これらの数値が悪ければ、今後のアメリカの雇用情勢や金融政策に対する不安感が膨らみ、ドル売りになる傾向があります。
雇用統計に関して動画で解説!
こちらの動画でもFXの雇用統計について解説しています。雇用統計の概要や、どれがどう値動きに関わってくるのか。チャート画像を使い詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
なお、当サイトでは具体的なFXのテクニックや金融のノウハウについてもご紹介しています。よろしければチャンネル登録してみてください。
初心者は雇用統計時の取引は危険なのか?
雇用統計の発表日・発表時間
雇用統計は、第一金曜日の21時30分(夏時間)もしくは22時30分(冬時間)に発表がされます。
アメリカにはサマータイムという、夏に時間が1時間早まる制度があるため、雇用統計の時間もずれるのです。
「3月の第二日曜日の午前2時」から「11月の第一日曜日の午前2時」までは、夏時間で時間が早まります。
この時間は基本的にずれることはありません。短期売買をメインとするトレーダーは、月に1度のこのタイミングを待ち構えているのです。
【2020年版】雇用統計のスケジュールをチェック!
発表日 | 発表時刻 |
---|---|
01/10(金) | 22:30 (冬時間) |
02/07(金) | 22:30 (冬時間) |
03/06(金) | 22:30 (冬時間) |
04/03(金) | 21:30 (夏時間) |
05/08(金) | 21:30 (夏時間) |
06/05(金) | 21:30 (夏時間) |
07/02(金) | 21:30 (夏時間) |
08/07(金) | 21:30 (夏時間) |
09/04(金) | 21:30 (夏時間) |
10/02(金) | 21:30 (夏時間) |
11/06(金) | 22:30 (冬時間) |
12/04(金) | 22:30 (冬時間) |
- ココに注意!
✔ 基本的には第一金曜日ですが、第二金曜日となる場合もあります。
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- ココに注目!
雇用統計時に取引をするリスク
経済指標に乗じたトレードには固有のリスクが伴います。何も知らずに雇用統計のタイミングに参戦してしまうと、手痛いダメージを受けるかもしれませんので、事前にきちんと押さえておきましょう。
結果が予想できない
まず、どういう結果が発表されるかは、発表されるまでわかりません。事前に経済アナリストによって予想が発表されるものの、これは予想にすぎません。むしろ、この「予想より良かった」「予想より悪かった」で値動きが決定されるとすらいえます。
したがって、「今回の雇用統計は結果がよいはずだから、発表前に買って大きく稼ごう!」などと考えるのは大変危険です。
値動きが予想できない
為替相場の世界には「織り込み済み」という言葉があります。例えば、事前に好結果が予想されていた場合には、その結果が発表されることを見込んで、すでに多くの人が買っています。そして、結果が発表されるとすでに買っていた人たちがそこで一斉に売るため、下がります。
これを「噂で買って事実で売る(Buy the rumor, Sell the factとも)」といいます。FXでは、しばしばこうした値動きになることが多く、特に発表直前や直後は、様々な思惑が絡んでランダムな動きをします。
こうした非常に難しい状況でトレードをすることになるので、大きく儲けられる可能性もある反面、大きく損をする可能性もあるので注意が必要です。
雇用統計時に取引をする際の注意点は?
元 銀行員|河野翔太
雇用統計時の取引は、いわゆる「往復ビンタ」に注意
米雇用統計の発表時には、相場が大きく上下に振れることがあります。こういった場合に、「自分が持っているポジションと逆の動きに焦って損切り」→ 「損失を取り返すために急遽逆のポジションを確保」→ 「相場が逆方向に振れて損失」という流れが起こることもあります。これを「相場に往復ビンタを喰らった」と表現したりします。予期せぬ相場の変動に動揺し、自分のルールに則らない形でポジションを保有するのは「往復ビンタ」を喰らう要因になりますので控えましょう。特に雇用統計の発表時には相場が大きく変動しますので、注意してください。
雇用統計を避けるという選択肢
したがって、無理して雇用統計にあわせてトレードをする必要はありません。相場は、普段の何もないときのほうが圧倒的に長く、その中で利益を上げることも十分可能だからです。
FX初心者の方は、「一気に儲けてやろう」と思いがちです。しかし、そのような発想は大変危険なので、一度冷静になって、本当に雇用統計でトレードする必要があるのかを考え直してみてください。
雇用統計時の値動きと取引戦略
上記のように、まず雇用統計の場合は、トレードをするかしないかを決めておきます。
確かに雇用統計は上記のようにリスクは大きいのですが、それでも雇用統計の時にトレードしたいという方は大勢います。また、雇用統計時にはトレードしなくても、後でその値動きを参考にして、今後のトレードに活かす!という方もいらっしゃいます。以下では、雇用統計の値動きを次の2つに分けてご紹介します。
- 雇用統計時のチャートの特徴
- ✓ 「行ってこい」型
- ✓ 一方通行型
「行ってこい」型
「行ってこい」とは、最初は上がった(下がった)ものの、そのあとその動きのすべてはまたはほとんどを戻してしまう、という値動きのパターンです。
雇用統計が発表されて、良い結果だったためいったん上昇したものの、高値を維持することができず、一気に下落しました。
このような値動きをする場合には、トレンドライン分析やRSI分析がお勧めです。トレンドラインは、図に引いている赤い線です。この線を明確に切ってくるまで待ち、そうなったら最初とは反対方向にポジションを持ちます。そして、発表時の価格に戻った付近で決済します。
一方通行型
その名の通り、上がったら上がりっぱなし、下がったら下がりっぱなしという値動きを意味します。
このような値動きをする場合にも、トレンドライン分析は有効です。
先ほどとは反対に、最初の値動きの方向を止めているポイントに線を引き、その線を抜けてきたら入るというやり方です。また、いったん動いた後、なかなか戻らない場合には、少し戻したところで押し目買い・戻り売り(下がったところを買う、上がったところを売る)的に入ってみることも可能です。
このような入り方をした場合、上昇の動きをトレンドラインなどを用いて視覚化し、そのラインが切れるまでポジションを持ち続けます。また、RSIの買われすぎ・売られすぎという情報を活かして、天井や底で利益を確定するというのも一つの方法です。
雇用統計のリアルタイム中継を使う
情報収集の方法としてもう1つ覚えておきたいのが、FX会社がおこなっているリアルタイム実況中継です。米雇用統計の約1時間前から、相場解説の専門家が実際のチャートや最近の経済情勢について解説してくれます。
もちろん、雇用統計の結果予想、値動きの予想はもちろん、実際のプロトレーダーのリアルタイム実況までしてくれるケースもあります。これは非常に参考になるので、ぜひチェックしてみてください。
大手FX業者で開催しているのは、JFX株式会社の『JFX MATRIX TRADER』や『外為どっとコム』などです。プロの意見も参考にしながら、トレード戦略を練ってみましょう。
多くのトレーダーが複数の口座を持っている
複数の口座保有はリスク分散や資金管理のためもありますが、情報収集のためにしている人もいます。FX会社はトレードの関する有益な配信をしているため、それを得るために口座開設をしてみても良いでしょう。
とにかくニュースの量が豊富な外為どっとコム
画像引用:外為どっとコム 米雇用統計
※ロシアルーブル/円のみ10,000通貨
情報配信に積極的なJFX
画像引用:JFX 雇用統計
JFX MATRIX TRADER
スプレッド※原則固定(例外あり) | |||
---|---|---|---|
米ドル/円 | ユーロ/円 | 英ポンド/円 | 豪ドル/円 |
0.3銭 | 0.5銭 | 1.0銭 | 0.7銭 |
取引単価 | 通貨ペア数 | ||
1000通貨 | 24 |
元 銀行員|河野翔太
情報量の多いFX会社を使うと勝率に直結する可能性大
相場を予想する際に、ファンダメンタル分析を用いる方、テクニカル分析を用いる方、両方の組み合わせで複合的に予想する方、と様々だと思いますが、いずれの場合も情報の量と質が物をいいます。情報をもとに論理的に相場の次の動きを予想し、結果をもとにまた新たな戦略を練り直すことがFXで継続的に利益を出すコツと言えます。根拠のない取引で瞬間的に利益を得たとしても、長続きはしません。自分で情報収拾するのも良いですが、情報の質や量をウリにしているFX業者もありますので、業者を選ぶ際の一つのポイントにしてみてください。
【まとめ】雇用統計の日の取引は絶対に無理をしないこと
先ほども書きましたが、FXでは無理は禁物です。そういったトレードはオーバートレードといい、初心者の方が失敗する理由の大半を指します。
確かに、雇用統計発表前に買いまたは売りのポジションを持っておいて、その通りになったら大きな利益を得ることはできるでしょう。しかし、そこでFXを2度としないということならまだしも、今後もずっと継続していくのであれば、そうしたトレードは長続きせず、いつか大外れして回復不可能な損害を被る(退場)ことになりかねません。
特に、アメリカの雇用統計は予想通りにならないことのほうが普通です。くどいようですが、FXで利益を出すチャンスはほかにいくらでもあります。無理に雇用統計に固執するのではなく、あくまでFXの重要なイベントの一つくらいに認識して必要に応じてスルー出来るくらいがちょうどよいといえます。
- この記事で紹介したFXサービス
- ●JFX株式会社「JFX MATRIX TRADER」
- ●株式会社外為どっとコム「外為どっとコム」
元 銀行員|河野翔太
初心者にとって米雇用統計は大きな危険を伴う時間
米雇用統計の発表内容は「失業率」「非農業部門雇用者数」「平均時給」「建設業就業者数」などで、特に前者の2つは米国の景気との関連性が強いために、多くの投資家が注目する指標でもあります。米国の景気が良いと判断されれば、ドルが買われ、米国の株式が買われます。対して、米国の景気が悪いと判断されれば、ドルは売られ、米国の株式は売られます。
そのため、米雇用統計の発表時には相場の大幅な変動による短期間での為替差益を狙って多くの取引が集中します。事前の段階で統計の良し悪しを織り込んで、売買がされている場合も多いため、相場の変動の予想が難しく、初心者にとって取引を避けたい期間でもあります。