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2023/09/29

FXの両建てをするメリットとデメリット

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この記事のアドバイザ

安宅太

大学卒業後、証券会社に勤務。証券外務員一種資格を取得。富裕層のお客様に株式、投信、債券など幅広い商品を組み合わせたコンサルティングを行う。 生命保険会社勤務後独立、生命保険と損害保険、金融商品仲介業の代理店を設立。より幅広い商品でのコンサルティングをワンストップで行う。

目次

  1. FXの両建てとはなにか
  2. 両建てをするとどうなるか
  3. 両建てのメリット
  4. 両建て否定派の意見
  5. 両建てをするならFX会社選びが大切
  6. 両建てをするかはメンタル次第
この記事はこんな人におすすめ
  • 両建てをうまく使いこなしたい!
  • 決済と両建ての違いを知りたい!
  • FXの取引テクニックについてもっと知りたい!

両建ては、FXの中上級者であっても肯定派と否定派がおり、未だに結論は出ていません。

しかし、両建てで利益を出しているトレーダーもいることは事実です。また、初心者の方であっても両建てという1つの手法について深く考えることで、FX全体についての理解が深まる、という考え方もあります。

今回は、FXの両建てについて、初心者向けになるべく分かりやすく解説していきます。

FXの両建てとはなにか

両建てを理解するためには、まず買いポジションと売りポジション、またノーポジションについて、ご理解いただく必要があります。

買いポジションと売りポジション

FXでは、異なる通貨のペア、例えばドル円でいえば、ドルと円のペアを取引します。このとき、ドルを買って円を売ることを、ドル円のロングと表現します。

一方で、ドルを売って円を買うことを、ドル円のショートを表現します。

FXでは、各通貨ペアのロングとショートを駆使して、為替差益や金利差益を得ることを目標とします。

ロングポジションも、ショートポジションも保有していない状態をノーポジション、またはスクウェアと表現します。

FXのポジション


  • 買いポジション → ロング
  • 売りポジション → ショート
  • ポジションを持たない状態 → スクウェア

相場がこれから先上がるか下がるか分からない時は、ポジションを一旦スクウェアにするのが一般的です。

なぜなら、上がるか下がるか分からない状態でポジションを持つことは、ギャンブルになってしまうからです。

FXの両建てとは

同じ通貨ペアについて、ロングポジションとショートポジションを同時に保有することを両建てといいます。

FXの世界では、売りと買いのポジションを同時に持つことは、普通に可能なのです。

両建てをするとどうなるか

両建てに関する議論は、主に両建てとノーポジションの間に違いがあるのか、という疑問によるものです。よってまず、両建てをするとどうなるか、ということをご説明します。

為替差益について

例えば、ドル円のロングを1万ドル保有しているとします。

この状態で、ドル円のショートを1万ドル両建てします。ドル円のロングは、ドル円が1銭上がるたびに100円の利益になり、逆に1銭下がるたびに100円の損失になります。

一方で、ドル円のショートは、ドル円が1銭上がるたびに100円の損失になり、逆に1銭下がるたびに100円の利益になります。

 理論上はプラスマイナスゼロになる

両建てはドル円が上がっても下がっても、ロングポジションとショートポジションの利益が相殺し合うので、為替差益(差損)は変化しないことになります。

※上記は、ロングポジションとショートポジションを同じ数量だけ保有した場合の話です。例えば、ロングポジションを2万通貨もっているのに、ショートポジションは1万通貨しか両建てしなかった場合には、ロングポジションの影響の方がショートポジションの影響よりも大きくなるので、上がれば1銭ごとに100円の利益、下がれば1銭ごとに100円の損失となります。

両建てを駆使して利益を出すための方法は?

証券外務員|安宅太

利益を得るにはトレンドを見極めて片方を早めに損切りする


両建てで利益を狙う方法はトレンドを素早く見極めて買いのポジションを手放すのか売りのポジションを手放すのかを決める必要があります。判断が難しいのはマーケットがどちらに行くのかはっきりしない時です。その場合は利益も損失も出ないため、メリットがあるようにも思えますが、その分スワップポイントとスプレッドポイントのコストが余計にかかります。両建てで利益を得るには裁定トレードよりもシステムトレードの方が向いています。システムトレードの方が自動売買を繰り返し約定回数が増えるためFX会社の中には証拠金の効率が上がるところがあるからです。両建ての場合は早目の見極めが重要です。

スワップポイントについて

FXでは、日をまたいでポジションを持っていると、各通貨ペアの金利差に基づいてスワップポイントと呼ばれる、外貨預金の金利に相当するものが付きます。基本的に、金利の高い通貨を買って、低い通貨を売った場合(ドル円のロングなど)の場合は、プラスのスワップが付き、反対に金利の高い通貨を売って、低い通貨を買った場合には、マイナスのスワップが付きます。

スワップの設定は業者により異なる

このプラスのスワップの金額と、マイナスのスワップの金額は同じ業者「DMM FX(PR)」などもあれば、違う業者「SBI FXトレード」などもあります。プラスとマイナスのスワップが違う業者では、基本的にマイナスのスワップのほうが大きくなるように設定されています。

例)2017年10月18日分のSBIFXのドル円ロングのスワップポイントは1万通貨当たり37円のプラスで、逆にショートのスワップポイントはマイナス38円です。

両建てのメリット

両建てには、メリットがないという人もいますが、あるという人は、次のようなメリットを主張していることが多いです。

為替差益について

例えば、口座残高が10万円の時、ドル円1万ドルのロングとショートを両建てしているとしましょう。

建値は、ロングの場合112.00円、ショートの場合は、112.50円とします。このとき、レートが上昇し、113円になったとすると、ロングポジションの評価益は1万円。ショートポジションの評価損は5,000円となります。

ここで、また下がると思い、ドル円のロングのみを決済し、1万円の利益を確定します。その後、ドル円が再び112.00円まで下がったとすると、ここでショートポジションを決済すると、5,000円の利益になります。

口座残高に注目しよう

このとき、口座残高の変化に着目します。両建てした当初は、ロングポジションが5,000円の評価益でショートポジションはプラスマイナスゼロなので、トータルで5,000円の評価益です。評価益を口座残高に含めないとすると、ここでは口座残高は10万円のままです。

その後、ロングポジションのみを決済した時は、ショートポジションは5,000円の評価損を抱えているものの、これを考慮しないとすると口座残高は10万5,000円です。その後、ショートポジションを決済した時は、口座残高は11万5,000円になります。

このように、評価益や評価損を考慮しないやり方をすると、両建ての場合、順調に口座残高が増えていくように見えます。

スワップポイントについて

プラスのスワップとマイナスのスワップが打ち消し合います。そのため、スワップポイント目当ての両建ての場合には、通常プラスのスワップがつくほうを両建てします

例えば、ドル円のショートを持っている場合は、ドル円のロングを保有します。

メンタル面でのメリット

これが両建ての一番のメリットだといわれます。つまり、損失を抱えているポジションを決済して、損失を確定する(損切り)は、結構メンタルを消耗します。

しかし、両建ての場合には、そのポジションは決済しないで放っておくため、メンタルへの影響は比較的小さく、そのため、早めに決断することが容易にできるというのが肯定派の方の意見です。

両建てをする際の注意点は?

証券外務員|安宅太

スワップ・スプレッド分を加味して利益を狙うことが重要


FXの取引で両建てという方法があります。片方を買いのポジションにおいてもう片方を売りのポジションにおいておく手法です。メリットはロスカットを回避できる点と同時に持つことにより損失を少なくすることが出来ます。ただし注意しなくてはならない点は片方を持っているよりも、両建ての方がポジションが2倍になるためスワップポイントのコスト、スプレッドのコストもそれぞれにかかるため2倍になる点です。さらに上に上がっても、下に下がっても多かれ少なかれ損が生じることになっています。そのためマーケットの状況によって損が増えるのか減るのかを注意して見ておく必要があります。

両建て否定派の意見

両建てには、意味がないという人の主張をご紹介します。

為替差益について

上記の例で、両建てを用いない場合を考えましょう。まず、両建てをした時点で、為替変動による影響が無くなるので、これは全決済したのと同じになります。

したがって、ここでロングポジションを全決済し、5,000円の利益を確定します。

その後、両建てにおいてロングポジションを決済し、ショートポジションのみにした場面では、ショートポジションを取り、112.00円まで保有します。ここで、全決済し1万円の利益を確定します。結果は、1万5,000円の利益で、口座残高は11万5千円になります。

このように、相場の値動きが同じならば、両建てをしてもしなくても、最終的な結果は同じというのが両建て否定派の最大の論拠です

証券外務員|安宅太

初心者に両建てはあまりオススメできない


FX会社の多くは両建てを推奨していません。なぜかというと売りと買いの両方法のポジションを持つことが無意味と判断しているからです。スプレッドコストも2倍かかり経済的合理性もないのでおすすめはしていません。結局は買いのポジションも売りのポジションもどこかで手放すことになるからです。さらに初心者の方になおさらおすすめ出来ません。なぜなら初心者の方は経験が浅いため、為替のマーケットがどのように動くのかもよくわからないからです。両建てはある程度マーケットがどのように動くのかがわかった上で知りながらやる分にはおすすめ出来ます。

スワップポイントについて

両建てをするとスワップポイントがプラスマイナスゼロ、または微損になるということは、ノーポジション(スクウェア)のほうが、優れているといえそうです。

メンタルについて

確かに、決断が早くなることだけを取ってみればいいことかもしれません。しかし、それは損失を抱えているポジションを決済(損切り)する決断を先送りにしているだけではないでしょうか。両建てもうまくすれば、両方とも利益になるものの、やり方が甘いと両方のポジションが損失になることも少なくありません。

両建てをするならFX会社選びが大切

ここまでお話をしてきた通り、両建てで利益を狙っていく際には、FX会社選びが非常に重要です。以下の点に着目してFX会社を選んでみてください。

両建てする時のFX会社の選び方
  • 少額で始められる所を選ぶ
  • 約定力の高いFX会社を選ぶ
  • 利用者が多く、評判の良い所を選ぶ
  • 利用コストを安く済ませられる所を選ぶ

おすすめ「ヒロセ通商 LION FX」

ヒロセ通商LION FX

約定力の高さと取引の自由さに関して高評価を得ているのは、「ヒロセ通商 LION FX」です。

スプレッドは業界最高水準で、コストを抑えた取引が可能です。食品をもらえるキャンペーンなどを随時開催していて、トレーダーからも人気の高いFX会社です。

スワップポイントの高い通貨ペアと、割と一般的な通貨ペアがありますので、先に通貨ペアを決めてから取引をすると良いでしょう。

ヒロセ通商 LION FX

満足度
full star
full star
full star
full star
half star
4.3
スプレッド※原則固定(例外あり)
米ドル/円 ユーロ/円 英ポンド/円 豪ドル/円
0.2銭 0.4銭 0.9銭 0.5銭
取引単価 通貨ペア数
1000通貨 54

両建てをするかはメンタル次第

このように考えていくと、両建ての確実なメリットは、メンタルにやさしいということのみにあるといえます。これをどのくらい重視するかで、人によって両建てに対する印象が全く異なるのだと思います。

また、一部業者では両建てができないこともあるので、両建て取引をしたいとお考えの方は、それができる業者を選びましょう。

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また、ファイナンシャルプランナーへの相談も無料で承っておりますので、お気軽にお問い合わせ・ご相談ください。(詳細は注意事項をご確認ください。)

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