この記事のアドバイザ
- この記事はこんな人におすすめ
- ✔ これから投資・貯蓄を始めたい!
- ✔ リスクを押さえて資産を形成したい!
- ✔ 積立投資と積立貯金と積立FXの違いについて知りたい!
現在、世の中には多くの金融商品がありますが、積立投資と積立貯金と積立FXは、いずれもコツコツと貯めて、増やしていきたい初心者の方に向いています。特に、これからFXを始めたい!という方は、これらの初心者向けの金融商品で、投資というものの基本的な考え方について、学ぶと良いでしょう。
これからは貯蓄よりも投資の時代になると言われています。将来に向けての資産を確保したいと考える方に、それぞれの特徴、長所・短所について説明します。
金融商品を理解するために必要な概念
金融商品の基本となる3つの概念を押さえましょう。これらは投資をするうえでは、確実に理解しておくべき基本項目になりますので、確実に理解しておいてください。
- 投資の基本項目
- 収益性
- リスク
- 流動性
投資における収益性とは
収益性とは、その金融商品が一定期間内にどれくらいの比率で利益を出してくれるか、ということです。基本的に、ほかの2つの要素が一緒なら収益性は高ければ高いほどよい!ということになります。
投資におけるリスクとは
様々なリスクがありますが、特に重要なリスクは「元本割れ」のリスクです。つまり、100万円が98万円になることもありうることを、「元本割れのリスクがある」と表現します。一般的に収益性の高いものには、元本割れのリスクが伴います。
投資における流動性とは
「資産を現金にしたい」・「手元に引き出したい」というときに、いつでも現金化できるか、引き出せるか、という指標が流動性に当たります。ほかの2つの要素が同じならば、流動性は高ければ高いほど良いということになります。
積立投資とは
毎月一定額を積み立てて投資をすることをいいます。ここでは、積立FXと区別するために、株や投資信託などを買うことを指すことにします。積立投資には、大きく分けて以下の2種類があります。
- 積立投資は大きく分けて2種類
- ✓ 毎月一定額を自動で引き落として買い付けるもの(自動型)
- ✓ 自分で毎月一定額を入金して、買いつけるもの(手動型)
自動の積立投資
銀行や証券会社と契約して、毎月一定額を引き落としてもらい、自分があらかじめしてした株や投資信託などを買い付けてもらうことを意味します。
このメリットは、貯金感覚で毎月コツコツ続けられるということと、自動で買い付けるため、良くも悪くも自分の投資スキルに影響されずに、投資ができるということにあります。この場合、基本はドルコスト平均法というやり方をします。以下、三菱東京UFJ銀行公式ページの図を参考にしてみてください。
ドルコスト平均法は積立の基本
毎月の購入額をあらかじめ決めておき、その価格で買えるだけ購入します。金額が決まっているため、価格が安いときは多く購入し、高いときには少なく購入することになります。こうすることで、なるべく平均的な価格でその株や投資信託を購入しようというものです。特に、値動きに方向性がなく、往ったり来たりになっている銘柄で効果を発揮します。
具体的な数字にあてはめてみると、解りやすいかと思います。平均単価だいたい100円のリンゴを、毎月10,000円分ずつと決めて購入していく場合と、毎月100個と決めて購入する場合の例を比較してみましょう。
■毎月1万円買った場合は、6ヶ月で使った額は60,000円。
■毎月100個ずつ買った場合も、6ヶ月で使った額は60,000円。
なのに、毎月1万円を均一で買った場合の方が、10個も多くリンゴを買えたのです。
ドルコスト平均法を使うと、100円のリンゴが1つ98.3円で買えた計算になります。つまり、安い時にはたくさんのリンゴを買うことができて、高い時には買いすぎを防げるというメリットがあるのです。
この自動の積立投資のメリットは、まだ相場経験の浅い初心者の方にとって大きな失敗を避け、それなりの収益性を追求できることにあります。ただし、積立投資には元本割れのリスクが伴うので、ほかの投資や預金と組み合わせるとよいでしょう。
手動の積立投資
毎月の積立と、投資商品の購入、または購入の時期や数量を自分で行う投資です。このメリットは、ネット証券など手数料の安いところを利用すれば、低コストで投資ができるということと、中級者以上の場合、自分の投資スキルを活かして、より高い収益性を追求できることになります。
自分ですべてを行うため、意志の弱い人や、相場に不慣れな人にはあまり向いていません。
積立貯金(積立預金)とは
預金と貯金の違いですが、ゆうちょ銀行などに預ける場合を貯金、銀行などに預ける場合を預金といいます。積立貯金にも、自動のものと手動のものとがあります。
自動の積立貯金
積立貯金(預金)の一番のメリットは、元本割れがないことです。また、流動性についても、基本的にいつでも引き出せるため、非常に高いですが、その代わり収益性は低い傾向があります。
自動の積立貯金では、毎月一定額を口座から引く落とし、貯蓄口座に振り込むことになります。これにより、貯金感覚で毎月一定額を積み立てることができます。
※ボーナスの時など、多めの収入のある時には、設定すれば年一定回数多めの引き落としをすることもできます。
手動の積立貯金
自分で、貯蓄口座に毎月お金を振り込んでいくことを言います。毎月の積立金額を自分で決定できるので、余裕のある時は多めに、厳しいときは少なめにする、という柔軟なやり方ができます。その代わり、手動の積立投資と同じく、意志の弱い人は途中で中断してしまうおそれがあります。
積立FXとは
画像引用:SBI FXトレード公式|積立FX
FXとの最大の違いは、レバレッジとスプレッド、また取引方法にあります。まず、積立FXの場合、レバレッジが3倍、通貨によっては2倍までと低めに抑えられています。また、スプレッドはFXに比べるとやや広めです。
そして、積立FXを正規のサービスとして提供している企業はまだ少なく、大手FX会社では「SBI FXトレード」くらいです。取引方法(購入方法)は以下の3種類から選べます。
- 積立FXの購入方法
- 一定期間ごとに定額を買う(ドルコスト平均法)
- 価格と購入数量を指定した注文(指値注文)
- 自分のタイミングで購入
毎日でもいいし、月に1度でもいい。しかも積み立てる外貨も9種類から選ぶことができる。購入のコストも安いなど、良い事がたくさんあります。
将来的に価値を見いだせそうな通貨に投資する時には積立FXを活用してみるのも良いかもしれません。
一番は使いやすいという点です。次に積立FXが意外と良いということです。FXという比較的短期間での取引をイメージしておりましたが長期目線でドルコスト平均法を用いた取引はスワップポイントも付き、ドルコスト平均法で購入することによりリスク低減も出来るので良いと感じています。
元 証券会社勤務|杉崎利之
FXの方が取引手数料が安い傾向
外貨預金はレバレッジ1倍のFX取引と似ています。大きな違いは取引コストと金利です。外貨預金ではTTS・TTBという銀行が決める交換レートでの取引となります。TTS・TTBはFX取引でのASK・BIDにそれぞれ相当するもので、その差(スプレッド)はほとんどの場合2円程度です(米ドル預金の場合)。一方、FX取引における米ドル/円のスプレッドは平均的に0.3~0.5銭程度です。
金利に関しては、例えば米ドルを1年の定期預金で預ければ1年間の固定金利ですが、FXの場合はレバレッジ1倍で同額のポジションを保有しても金利(スワップポイント)は日々変動するものの概ね外貨預金よりも高めです。ただし、万が一日米の金利差が逆転する事態になればスワップポイントの支払い(マイナス金利)となるリスクもあります。
手動の積立FX
為替レートや、全体的な相場動向を見ながら自分の判断で購入する場合が、これにあたります。限りなくFXに近いですが、違いがいくつかあるので理解しておきましょう
- 手動の積立FXの特徴
- ✓ スプレッドが通常の成行注文より高い
- ✓ レバレッジは3倍まで
- ✓ いわゆるクロス円(ドル円、ユーロ円など)の買いのみ
- ✓ 強制ロスカットの証拠金維持率が低い
- ✓ マージンコール(追証)がない
スワップポイント(金利)はほぼ同じです。また、ロスカット未収金も相場動向により発生することがあります。
したがって、これからFXを始めたい!という方が、入門的にこの手動による積立FXをするというやり方が考えられます。
外貨預金との違い
外貨預金は扱っている銀行により、内容が若干変わってきます。今回は一般的な米ドル円の外貨預金と、「SBI FXトレード」でレバレッジ1倍の状態での積立FXとの違いを見ていきます。
取引数量はどちらも1万ドル、期間は1年とします。なお、金利変動・為替変動はないものとし、あくまで2017年10月19日現在の数値を参考にするものとします。米ドル円のレートは112.50円とします。
収益性について
外貨預金の場合は、0.50%くらいの固定になっているのが一般的です。それに対して積立FXの場合は、日々のスワップポイントから計算します。スワップポイントは毎日変動がありますから、少なく見積もって一日40円/1万通貨とします。そのうえで、計算すると、約1.29%となります。
※計算式 ((40365)/(112.5010000))*100≒1.29%
また、収益性を判断するには取引コストも重要です。
外貨預金の場合は往復でおよそ2円(200銭)の為替手数料がかかります。つまり、1万ドルの場合は、2万円の為替手数料となります。(取引金額の約1.78%)。
積立FXの場合には往復0.1円(10銭)の為替手数料(スプレッド)がかかります。つまり、1万ドルの場合には、1000円の為替手数料となります(取引金額の約0.09%)。
よって、見込める収益は積立FXのほうが圧倒的に上と考えて良いでしょう。
元 証券会社勤務|杉崎利之
スワップポイントとは金利差によって生み出される収支。
スワップポイントとは二カ国間の金利差によって生み出される収支です。ある通貨ペアにおいて高金利通貨の買い、低金利通貨の売りというポジションの場合はスワップポイントを利益として受け取ることになりますが、その逆のポジションであればスワップポイントを支払うことになります。
中長期の積立投資などにおいては比較的安定している通貨ペアを投資対象としてキャピタルゲインよりもスワップポイントを主軸に収益を目指す方法もありますが、時として対象としている通貨ペアの金利差が逆転すればポジションを長期保有するほどスワップポイントの支払が続くことになるため、二国間の金利差には常に注意を払うことが必要です。
リスクについて
両方とも、ドル円が1円下落すれば1万円の損失になります。したがって、為替変動リスクは同様です。
また、金利が0.1%下がれば、収益は両方とも1000円下がります。したがって、金利変動リスクも同様です。
同じ米ドル円を積み立てているので、リスクに関してはまったくの互角です。
流動性について
外貨預金では、商品によって解約に制限がある場合があります。積立FXでは、基本的にいつでも決済して、出金することができます。よって、流動性に関しては、積立FXのほうがわずかに上回ります。
したがって、同じ通貨で積み立てるのであれば、基本的に積立FXよりも外貨預金を選択するメリットはありません。外貨預金をお考えの方は、積立FXでレバレッジ1倍の運用をおすすめします。
【まとめ】積み立てる場合はシミュレーション立てをしよう
積立投資、積立貯金(積立預金)、積立FXの検討の結果を表にすると、以下のようになります。
積立投資の流動性と、積立FXの流動性は一概には比較できませんが、基本的にはFX(為替)のほうが流動性は高いことが多いです。
外貨預金は別として、上の3つはそれぞれの強みがあります。基本的に、どれもFXよりもハードルは低いため、この低金利時代に資金を守りつつ、コツコツ増やしていきたいという人が、投資入門として始めるには最適の商品です。
それに慣れてきたら、徐々にハードルを上げFXにも挑戦してみるとよいでしょう。
元 証券会社勤務|杉崎利之
ドルコスト平均法は中長期で運用したい人向け
ドルコスト平均法は例えば月1回など定期的に一定額の資金で外貨などの投資商品を買い付ける投資法です。短期的に利益を狙うのではなく、最低でも半年から1年以上辛抱強く行なう必要がありますので、中長期で運用したい人向けの投資方法と言えます。
投資対象の通貨ペアがある程度安定しており、なおかつスワップポイントを受取れる場合にはそれなりの利益を期待することもできますが、逆に相場が長期的な下落トレンドに入ってしまい、いつ戻ってくるか予想もつかない状況でも定期的に買付けを行なうことになりますので、投資対象通貨ペアの下落や毎回の取引コストによるマイナスが膨らむことにより元本割れするリスクもあることに注意が必要です。